レーシングカー開発で培われたカーボン成形技術 東レ・カーボンマジック株式会社(その1)Magazine2018年01月17日share facebookshare xshare pinterestshare lineshare hatebu軽量で高い強度をもつ素材として、さまざまな用途に使用されているカーボン。身近なところでは、ゴルフのシャフトや釣竿、テニスラケット、自転車のフレームなどがあり、最先端分野では、レーシングカー、航空機、宇宙ロケットにまで使用されている。 一般的にカーボンと言われている素材は、正式名称を炭素繊維強化プラスチック(CFRP)といい、樹脂に炭素(カーボン)繊維を組み合わせたシート状の複合材(プリプレグ)を型に張り合わせ、さらに加熱加圧することで製造される。製造工程は、ほぼ手作業で行なわれ、成形加工を行なうには大規模な施設が必要なため、時間とコストがかかり、他の素材よりも高価なのが特徴だ。 このカーボンの成形加工において、国内でも屈指の技術力を誇るのが、東レ・カーボンマジックだ。元々はレーシングカーを開発していた「童夢」が2001年に設立した「童夢カーボンマジック」という会社だったが、13年に東レの傘下になり現在の社名に変更された。 長年にわたるレーシングカー開発で培われた、優れた軽量化設計技術とCFRP成形加工技術により、現在ではさまざまなカーボンコンポジット製品を製造している。 多くのノウハウが蓄積されている東レ・カーボンマジックだが、15年より始まったサイボーグ社との競技用義足の共同開発は、それほど簡単なものではなかったそうだ。 そのあたりのことを社長の奥氏に聞いてみた。 「パラスポーツの原動力は、あくまでも人力なので、与えられるエネルギーが小さい。そのためディテールが大事となり、一般的な製品より非常に緻密な開発が要求されます。それに加え、これほど弾性変形を伴う製品は稀で、経験が不足していました。 また、通常は、いろいろなリスクを織り込まないといけないので、性能に余裕をもった製品になりますが、アスリートが使用するものは高い要求を満たすシビアな性能、バランスが必要です。しかも、その製品をアスリートの成長に合わせてタイムリーに開発しないといけないので非常に難しかったですね」« バリアをなくして導き出すチームパラリンピックのムーブメント(その2)オーダーメイドが生み出す揺るぎない信頼感 山田 賀久【エンジニア】(その1) »pr blockhttps://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-06423-9https://www.j-n.co.jp/books/genrelist/lgenre1/mgenre5/sgenre97/https://psm.j-n.co.jp/mecenat-booth/https://psm.j-n.co.jp/category/federation/https://psm.j-n.co.jp/shop/