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車いすで「信越トレイル」に挑戦!

車いすで「信越トレイル」に挑戦!

ヒッポキャンプ(アウトドア用車いす)で110㎞を踏破する前人未到の大プロジェクト車いすで山に登る。考えただけで、かなりの苦難が伴うことは想像に難くない。それなのに車いすで全長110㎞、標高差1893mの信越トレイルに挑戦しようというのが小林博子さん。前代未聞の壮大な挑戦をしようと思ったのはなぜか。2023年7月に試走で信越トレイルを訪れた小林さんを取材した。(この記事は「パラスポーツマガジンvol13(2023年9月27日発売)」に掲載の記事を一部加筆修正したものです)5年をかけて完全踏破を計画「信越トレイル」という長野と新潟の県境、開田山脈から苗場山麓エリアへ続くトレイルがある。長野県の斑尾山山頂からブナの森を抜け、日本古来の文化が残る秋山郷を通り、新潟県の苗場山山頂の高層湿原へと至る、全長110キロのロングトレイルだ。頂上を目指す登山とは異なり、尾根や渓谷、里山を歩いて楽しむことを目的に作られた。山頂を目指さないとはいえ、最高地点の標高は2145メートルにもなり、急斜面はもとより鎖場もある。この日本屈指のロングトレイルに、アウトドア車いすの「ヒッポキャンプ」で5年をかけて全線踏破にチャレンジしようというのが、40歳で事故により頸髄を損傷し手足に障がいがある小林博子さんだ。2023年7月4日、小林さんが本番前に信越トレイルの試走を行った。ヒッポキャンプでうまく通ることができたのか。長野県の斑尾山の北側、信越トレイルのセクション2で取材した。ヒッポキャンプは、フランス製のアウトドア用車いす。軽量かつ耐久性の高い素材で作られ、前輪に幅広の一輪を採用した3輪タイプ。操縦者用のディスクブレーキも搭載され基本は3人で介助する登りたい気持ちを大切にジャスト ワン トレイル小林さんが信越トレイルをヒッポキャンプで踏破しようと思ったきっかけは、52歳のときにデンマークのエグモント ホイスコーレに留学したことだという(2019年8月〜12月)。エグモント ホイスコーレンとは、特別な支援が必要な障がい者でも健常者と一緒に、スポーツ、アート、福祉などの科目を学ぶことができる寄宿舎型学校のひとつ。全生徒の3分の1が障がい者だという。「アウトドアスポーツが好きで、若い頃からダイビングやキャンプを楽しんでいましたが、けがをしてからは諦めていました。しかし、エグモントに留学して、自分がやりたいという気持ちさえあれば仲間に頼んで一緒に楽しく遊べるというのがわかったんです。帰国して1年ぐらい経った頃、エグモントで一緒だった女の子が、女性だけのグループで登山をした映像で見て、すごくカッコよかったので、自分もやりたいと思ったんです」そこで小林さんが目指したのはロングトレイルの走破。一緒に活動してくれる仲間は、エグモントで知り合った人たちに声をかけた。そして運よく、ヒッポキャンプを使ったプログラムを実施している「なべくら高原森の家」と信越トレイル事務局が協力してくれることになった。中央がこのプロジェクトの発起人の小林博子さん。小林さんを取り囲むのが今回のプロジェクト「just one trail」のメンバー。向かって左手前から時計回りに、平田さん、藤山さん、小泉さん、大田さん、石川さん。最後列は左から「なべくら高原 森の家」の小林さん、青木さん、信越トレイルクラブ事務局の鈴木さん、佐藤さん小林さんは、以前は信越トレイルのことには詳しくはなかったが、このトレイルを構想したものの全線が開通するのを見ることなく病で亡くなった加藤則芳さんの「歩きながら自然に触れ生き方を学ぶ」という理念に共感し、このプロジェクトを通してみんなに伝えたいと思うようになったという。初参加のメンバーにヒッポキャンプの扱い方をレクチャーする「森の家」の青木さん(右)。障がい者が自然の中で楽しむための専門的な知識を有するユニバーサル・フィールド・コンシェルジュでもある今回、ヒッポキャンプに初めて触れる小泉さん(左)、藤山さん(右)、石川さん(中)は、出発前に扱い方の練習今回試走したのは、信越トレイルのセクション2、赤池〜沼の原湿原の間の赤池ブナ林トレイル。距離はおよそ2キロ弱で比較的歩きやすいセクションだ。赤池の南側の尾根上に作られた赤池ブナ林トレイルは、名前の通りブナ林の中を通り、豊かな自然を堪能できる。休憩時に森林浴を満喫するメンバーたち 登りや下りでは介助者がハーネスを通してヒッポキャンプを支えなければならない。気を抜くと落ちてしまう比較的容易なセクションであるとはいえ、沼の原湿原の手前には急な下りがある。ヒッポキャンプを支えるには、メンバー、スタッフみんなで息を合わせることが非常に重要 沢にかかる橋を渡る際は5人でヒッポを支え、信越トレイルと森の家のスタッフが左右をサポート木道を避けエスケープルートに向かう際、小林さんを引きずりながら運ぶ。木道が狭いことは信越トレイルのスタッフにより事前にわかっていたが、本番前のトレイルの下調べの重要性を痛感スマートフォン用「スーパー地形」アプリで計測した、赤池から沼ノ原湿原までの試走の軌跡。上のグラフは軌跡の高低差を表している試走を終えて、最大の問題点は、ヒッポキャンプの車輪の幅より木道の幅が狭いこと。これでは単純に押して進むことは困難だ。森の家の青木さんによると、使用する車いすの機種の変更も視野に入れて対策を検討したいということだった。歩くのが容易なトレイルでも、ヒッポキャンプの場合、かなりの労力が必要になるのがわかった。また、ヒッポキャンプの扱いに慣れるのはもちろん、自然を楽しみながら歩くことの大切さを再認識した。小林さん自身の課題もあった。「体をしっかり固定しないと押す人がバランスを取るのがむずかしくなってしまうので、体幹ベルトを2本持って行きました。それでズレはないのだけれど、加齢もあり体幹が弱くなっているので横揺れに弱かった。本番に向けて体幹を強くするリハビリもしていけたらと思いました」5年で達成予定というこの壮大なプロジェクト。はたしてどんな試練が待ち受けているのだろうか。取材・写真/辻野 聡  取材協力/なべくら高原・森の家、NPO 法人 信越トレイルクラブ事務局

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「つなげる」「育てる」をコンセプトに、車いすバスケ「MATSUNAGA CUP 2024」開催!

「つなげる」「育てる」をコンセプトに、車いすバスケ「MATSUNAGA CUP 2024」開催!

9月21日~22日、岐阜県大垣市で「MATSUNAGA CUP 2024」が開催された。この大会は、岐阜県障害者スポーツ協会と車いすメーカーの株式会社松永製作所の共催で、2022年から行われている。第3回目となる今年は、全国から35名のジュニアが参加。2日間にわたる濃密な時間を、思い切り楽しんだ。大会初日は、車いすバスケ体験会や車いすでのタイムトライアルなどのアクティビティ、大会に協賛する味の素株式会社による栄養講座が行われた後、パリパラリンピックの車いすバスケ競技に出場した日本代表選手を含む女子トップ選手たちに、車いすバスケの基礎を教えてもらうという、とても贅沢なプログラム。トップ選手のアドバイスがまるで魔法のくすりのように効いて、あっという間にうまくなる選手も見られた。2日目はお待ちかねのフレンドリーマッチ。選手は4つのチームに分かれ、午前中は総当たりの予選リーグが行われた。各チームにはトップ選手とコーチが入ってサポート。ゲーム前にシュート、パス、チェアワークなどをチームごとに練習した後、4分×4クォーターのゲームに臨んだ。ジュニアとトップ選手・コーチらが気持ちを一つにして試合に臨んだ選手たちはチーム力が同じ程度になるよう、各チームに振り分けられたのだが、びっくりしたのは、初めてチームを組んだとは思えないほどチームワークが良いことだ。ゲームの進め方をみんなが理解して動いている、と言ってもいいだろう。ボールを奪い仲間にパスをしてシュートチャンスを作る選手、そのパスからゴールを狙う選手と、各自の役割がうまく調和し、ずっと一緒に練習してきたんじゃないかと思わせるようなプレーが随所に見られた。初めて一緒にプレーするチームメイトにもかかわらず、息の合ったプレーが随所に見られた車いすバスケ女子日本代表でキャプテンを務める北田千尋選手(右から2人目)のアドバイスを熱心に聞くチームイエローの選手たち午後はトップ選手によるエキシビションマッチに続き、予選リーグの結果を受け3位決定戦と決勝戦が行われた。決勝を戦ったチームレッドとグリーンは、予選では6対6の引き分けと五分の戦いだったが、決勝戦でも実力伯仲の大接戦が繰り広げられ、試合は延長までもつれこんだ。結果、チームレッドの勝利となったが、観客を魅了する白熱したゲームに、大きな歓声と拍手がおくられて会場は一体となった。エキシビションは女子トップ選手による紅白戦。パラリンピックでも見せたスピーディで正確なプレーが目の前で披露され、参加したジュニアの目はくぎ付け!決勝戦のチームレッド対チームグリーンは、延長までもつれる大激戦に!「つなげる」と「育てる」をコンセプトに、障がいをもった子どもたちにスポーツを始める機会だけでなく、スポーツを楽しむ機会を提供したいという想いから始まった「MATSUNAGA CUP」。スポーツを始めた子どもたちとトップ選手、コーチが同じチームとなり、同じコートでスポーツをすることを通じて目標を持ち、スポーツを“続けたい”と思える大会を目指しているという。そのコンセプト通り、ジュニアたちは思いっきり体を動かして車いすバスケを楽しみ、選手・コーチが楽しさを伝え、引き出し、運営や演出・協賛社が大会を盛り上げ、支え、会場にいる者全員がハッピーな気持ちになれる大会だった。何よりも、参加したジュニアたちの生き生きした動きとキラキラした目は、スポーツの楽しさを存分に表していた。こうした”一生ものの体験”が、もっと増えていくことを期待したい。見事に優勝したチームレッド2位のチームグリーン3位のチームブルー4位のチームイエロー大会MVPの選手を中央にベスト5に選ばれたジュニアたち文・写真/編集部
【パラリンピック現地レポート】車いすテニス・上地結衣が2冠。「デフロートとの1戦1戦で、女子車いすテニスのレベルを向上させている、という感覚を互いに共有していると思う」

【パラリンピック現地レポート】車いすテニス・上地結衣が2冠。「デフロートとの1戦1戦で、女子車いすテニスのレベルを向上させている、という感覚を互いに共有していると思う」

日本は、車いすテニスの王国といえる。とくに、男子は、世界的レジェンドの国枝慎吾が引退したが、代わって華々しくデビューを飾った小田凱人が、栄光の軌跡を追いかけている。一方、女子はなんといっても、オランダが圧倒的な強さで車いすテニス界を牽引している。車いすテニスが1992年のバルセロナ大会からパラリンピックの正式競技となって以来、オランダは東京2020パラリンピックまで8大会で、シングルス、ダブルスともに金メダルを獲得してきた。どの国も、立ちはだかるオランダの牙城を崩したことがないのだ。精度の高い攻撃と相手のミスでダブルスを制した上地結衣/田中愛美組第3セットのマッチタイブレークを10対8で逃げ切り、3時間もの激闘の末に上地結衣/田中愛美組が女子ダブルスに日本初の金メダルをもたらした田中がアニク・フォン・クートの足を止めるショットをきっちり打っったことで、上地は数少ないチャンスでウイナーを狙うことができたオランダの猛攻がを受けながらも粘り強く返球を繰り返した田中愛美。見事な戦いぶりだった9月5日、ローランギャロスで行われた女子ダブルス決勝で対戦したのは、オランダのディーデ・デフロート/アニク・フォン・クート組と、日本の上地結衣/田中愛美組だ。デフロートとフォン・クートはシングルス世界ランキング1位、3位。一方の上地は同2位、田中は12位。オランダペアの方が格上であることは一目瞭然だ。しかし、この日行われた女子ダブルスを制して女王の座を掴んだのは、上地/田中組だった。日本の女子車いすテニス初の金メダルである。ダブルス決勝の第1セットは、オランダペアが6対4で勝ち取っている。第2セットは6対5からのタイブレークをオランダ3ポイントに抑えて日本が逆転した。女子ダブルスは、長いストローク戦になりがちだ。田中にオランダの猛攻が集中する中、田中は粘り強く返球を繰り返した。上地は、ゲーム後半にデフロートがダブルフォルトを連発するなど調子を落としてきたことを見逃さず、デフロートにダメージを与えるようなショットを打つタイミングを見計らっていた。「安易にディーデ(・デフロート)に返球すれば、それがチャンスになってしまうリスクがありました。田中がストレートのスライスでアニク(・フォン・クート)の足を止めるショットをきっちり打っていてくれたので、私は数少ないチャンスでウイナーを狙うことができました」(上地)精度の高い攻撃を繰り返す日本に対し、デフロートがダブルフォルトを重ねて自ら崩れる場面も見られた。そして、第3セットのマッチタイブレーク(10ポイント先取)を10対8で逃げ切り、3時間もの激闘の末に日本が優勝を決めたのだった。デフロートには東京パラから3年間未勝利も、直前の大会でストレート勝ちしたことが生きた7月に行われたブリティッシュオープン決勝でデフロートにストレート勝ちしたことが、いい材料になったと上地は言う「カモン!」苦しいラリーが続く場面でウイナーを決めると、握りこぶしを固く振り上げて叫ぶ上地。そして、大声援が上地の声をかき消すように何度も響き渡った勝利の瞬間から涙が止まらなかった上地。パラリンピック2冠は国枝慎吾もなしえなかった快挙だローランギャロスを埋め尽くした大観衆が上地をスタンディングオベーションで称えた翌6日には、女子シングルス決勝が行われた。この決勝を戦ったのも、上地とデフロートだ。上地とデフロートのパラリンピックでの顔合わせは、2016年リオ大会の3位決定戦、前回東京大会の決勝に続く3回目である。リオ大会では上地が勝ちきり銅メダル。4年後の東京大会決勝ではデフロートに軍配があがり、上地は銀メダルに涙をのんだ。6日、ローランギャロスのセンターコートであるコートフィリップ・シャトリエには、スタンドの上まで観客が詰めかけていた。第1セット、4対4からディーデが連続してゲームを勝ち取り、上地は4対6で落とした。続く第2セットでは、上地が得意とするバックハンドの強烈なショットだけでなく、スライスのドロップショットをピンポイントで打ち込むなどの攻撃が冴え渡った。また、デフロートは、第2セットに入ってからサービスのミスを連発し、9つものダブルフォルトで失点。上地が6対3でこのセットを奪い返した。ファイナルセットの出だしは、目の覚めるようなデフロートのリターンで1ゲーム目を0点に抑えられたが、上地もリターンエースを叩き込んでブレイクする。「カモン!」苦しいラリーが続く場面でウイナーを決めると、握りこぶしを固く振り上げ、上地が叫ぶ。大声援が上地の声をかき消すように、何度も響き渡った。「必ずしもリターン1本でいけるというわけではありませんでしたが、ディーデのサーブが崩れてきたことで、サーブを入れにいくような傾向も見えていました。自分のリターンのクロスに自信を持っていたので、最後までやり切ることができました」上地5対4で迎えたファイナルセットのゴールドメダルマッチポイント、サーブはデフロートだった。いったんはパワフルなクロスへのウイナーでしのいだデフロートは、ファーストサービスをネットにひっかけ、セカンドサービスがラインをオーバー。デフロートのダブルフォルトで、上地の今大会2個目となるシングルスの金メダルが決まったのだった。東京大会の決勝で敗北を喫した頃から、3年間、グランドスラムなどのトーナメントでも上地はデフロートに1勝もあげることができずにいた。しかし、今大会直前の7月に行われたブリティッシュオープンの決勝で、上地はデフロートにストレートで勝利を挙げた。「クレーと芝というサーフェスの違いがあるので、勝利したプレーの全てが、今日の決勝に生きた、というわけではありません。でも、あの時の試合から、自分のサーブからのコース配分や相手に自分の立ち位置の変化を見せて翻弄させることができた。また、あの試合からディーデのフォアハンドを狙うことを意識して、今大会に臨めました。イギリスでのチャレンジがいい材料になりました」「強いオランダをしっかり叩いた結衣ちゃんのことを本当に尊敬しています」(国枝慎吾)銀メダルのデフロート(左)と銅メダルのフォン・クート(右)というオランダの2人を従え、真ん中に立った上地。難攻不落だったオランダの牙城を世界で初めて崩した東京大会以降、第1シードのデフロートをどう打ち負かすか、ということは上地にとっても、目の前の大きな試練だった。1年前から引退した国枝氏に指導を仰ぎ、何度もアドバイスを受けてきた。国枝氏は語る。「デフロートの弱点を攻め続けること、結衣ちゃんの強みを活かすこと。正直、体格差もあり、障がいも重い。だからこそ、より高いテクニックで試合運びをする必要がある。この1年間、結衣ちゃんのレベルが非常に向上していたからこそ、手に入れることができた勝利でした」2004年のアテネ大会以来、パラリンピックやグランドスラムで誰も成し遂げられないような勝ち星を積み上げてきた国枝氏が言う。「女子車いすテニスのパラリンピックでは、ずっとオランダがシングルスもダブルスも金、銀を独占してきた。結衣ちゃんは東京大会のシングルスで銀メダル、今大会で金メダルを獲得したことで、オランダの歴史を崩壊させたんです。強いオランダをしっかり叩いた彼女のことを、本当に尊敬しています」日本チームは、今年4月から映像分析による戦略を徹底させてきた。上地も、分析チームから伝えられる膨大なデータを頭に叩き込み、それをプレーにつなげている。上地は、これまで自分自身が経験してきたライバル選手の傾向と、映像分析によるデータをイメージの中で一致させて、それを実際のプレーで体現してきたのだ。サービスの配分やリターン、ストロークの狙いどころやショットの質を大きく向上させてきたことで、今回の勝利を引き寄せたのだ。表彰台の一番高いところで、上地は金メダルにそっと口づけをした。「今日、自分が勝つことができたけれども、ディーデに対するリスペクトは変わりません。リオ大会で私たち2人のストーリーが始まりました。私が、彼女の競技人生に火をつけたと自負していますし、そこから今度は彼女に追い越され、追いかける立場になったけれども、東京大会で彼女が金メダルを取った時、本当に嬉しかった。今も、彼女との1戦1戦で、女子車いすテニスのレベルを向上させている、という感覚を互いに共有していると思う」晴れやかな笑顔で、上地が語る。「今日は、勝つことができた。何より、自分の全てを出し切りました。彼女との戦いは続いていきますが、ほかの選手にも必ずチャンスがある。挑戦してほしいと思っています」日本の、世界の女子車いすテニスの新たな1ページを開いた上地。次なるゲームで、さらに次元を超えていくことを、誰よりも心待ちにしているのだ。取材・文/宮崎恵理 写真/吉村もと
大会最終日、マラソンで鈴木朋樹(車いす)、道下美里(視覚障害)が銅メダル! 日本のメダル獲得数は金14、銀10、銅17の計41個。金メダル数は過去3番目、総メダル数は過去4番目(パリパラリンピック9月8日の結果)

大会最終日、マラソンで鈴木朋樹(車いす)、道下美里(視覚障害)が銅メダル! 日本のメダル獲得数は金14、銀10、銅17の計41個。金メダル数は過去3番目、総メダル数は過去4番目(パリパラリンピック9月8日の結果)

女子マラソン視覚障害のクラスで、道下美里が銅メダルを獲得。4位でフィニッシュしたものの、3位の選手が失格となり、繰り上がりのメダルとなったリオ、東京に続く3大会連続のメダルとなった道下男子マラソン車いすのクラスで、鈴木朋樹が銅メダル。2位にはわずか4秒及ばなかったものの、この種目で初のメダル獲得となった鈴木にとっては東京大会の400メートルユニバーサルリレーでの銅メダルに続く表彰台男子マラソン視覚障害のクラスで9位となった和田伸也。レースはT12クラスで行われたが、それより障害が重いT11クラスの和田の記録はパラリンピック新記録となった9月8日の日本人選手の結果(決勝種目など)陸上男子マラソン(車いすT54)3 鈴木 朋樹 (T54) 1:31:238 吉田 竜太 (T54) 1:37:15女子マラソン(視覚障害T12)3 道下 美里 (T12) 3:04:23女子マラソン(車いすT54)6 土田 和歌子 (T54) 1:52:3912 喜納 翼 (T54) 2:04:53男子マラソン(視覚障害T12)7 堀越 信司 (T12) 2:28:039 和田 伸也 (T11) 2:29:59(パラ新)10 熊谷 豊 (T12) 2:32:26カヌー女子カヤックシングル200m(運動機能障害KL1)6 瀬立 モニカ (KL1)女子カヤックシングル200m(運動機能障害KL2)10 宮嶋 志帆 (KL2)パワーリフティング男子107キロ級(運動機能障害)8 佐藤 和人 (PWL) 175写真/吉村もと
【パリパラリンピック現地レポート】大会全体をマネジメントする戦術で、新たな歴史を切り拓いた”オリオンJAPN”

【パリパラリンピック現地レポート】大会全体をマネジメントする戦術で、新たな歴史を切り拓いた”オリオンJAPN”

9月5日、パリ南アリーナでゴールボール男子決勝が行われ、日本がウクライナを4対3で下して金メダルを獲得した。これまで、ゴールボール日本代表は、女子が2004年のアテネ大会で銅メダル、12年のロンドン大会で金メダル、そして前回大会の東京大会で銅メダルを獲得している。男子は、東京大会に開催国枠で初出場し5位。その後の3年間で急成長し、昨年行われたIBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)主催のワールドゲームズで優勝した。チャンピオンだけに与えられる今大会の出場枠を確保し、自力での出場を決めて、パリの地に乗り込んだのだった。日本チームは、予選ラウンドで中国、ウクライナ、エジプトと対戦した。1勝2敗でBグループ3位となり決勝トーナメントに進出。準々決勝でAグループ2位のアメリカと対戦し、6対4で退けた。予選で隠していた戦術で中国に見事にリベンジ予選で負けた中国にリベンジを果たし、初の決勝進出を決めメダルを確定させた中国は高いバウンドボールが弱点。予選では隠していた球筋で中国を翻弄した日本の組織的かつ戦術的な堅い守備が、アジアチャンピオンの中国をわずか2点に封じた準決勝で対戦したのが、今大会初戦で対戦した中国である。予選では、6対7で勝ち星をあげることができなかった。中国は、アジアの強豪で東京パラリンピック、2022年の世界選手権ではともに銀メダル、22年のアジアパラ競技大会では金メダルを獲得している。が、日本が優勝した昨年のワールドゲームズには出場していない。日本にとっては、予選で負けた中国との準決勝が、ひとつの大きな山場だった。試合開始早々に、攻撃の要である宮食行次が先制点を決めた。持ち味である高さのあるバウンドボールが中国のゴールネットを揺らした。「高いバウンドボールは中国の弱点だということがわかっていたので、絶対に勝負できると思っていました」と、宮食が振り返る。「予選では、高さを調整してあまり手の内を見せない攻撃にしていました。準決勝で高いバウンドボールを出したことで、中国は驚いたと思います」。大会全体をマネジメントする戦術の一つが、いきなり奏功した。前半から日本は積極的に攻撃を仕掛け、宮食のバウンドボールだけで5得点を挙げた。またキャプテンの金子和也は、相手が投球位置や距離を測りにくい左利きの利点を活かし、スピードある投球で3得点。前半だけで8対2と大きくリードした。焦りを隠せない中国は、後半にスポーツマンシップに反する反則を犯す。タイムアウト後、中国の選手がユニフォームについた汗などの水分をボールになすりつけたのだった。表面に水分がついたボールは、乾いたボールよりもスピードが増す。アイシェードを装着した選手は、いつもとは異なるスピードに反応が遅れ、ゴールを奪われてしまうのだ。タイムアウト直後の中国に対し、審判がボールを確認してチームペナルティの判定に。金子がきっちりペナルティスローを決めて、11対2とリードを広げた。日本は前半からの勢いのまま、最終的に13対5という大差で中国を下し、決勝進出を決めたのだった。ゴールデンゴールの瞬間、思わず飛び上がって、そのあとは瞬時に脱力した(佐野優人)延長戦の激闘を制し、最後は佐野優人が決勝ゴールを決めて金メダルを獲得レフトとライトの両ウイングでプレーした金子和也(左)。キャプテンとしてチームを牽引した6人のうち誰が出ても戦力が落ちないのが日本の強みのひとつ。抜群のチームワークの良さも勝利をもたらす要因だったそうして迎えた決勝戦の相手は、ウクライナ。ウクライナは準決勝で、東京パラリンピックの金メダリストであるブラジルを破って決勝に駒を進めていた。日本が6位だった2022年の世界選手権では、ウクライナはブラジル、中国に続く3位。やはり東京大会以降、上位に位置する強豪である。今大会、予選ラウンド2戦目で日本はウクライナに8対9で、これも1点差で敗北を喫している。先制点を挙げたのは、キャプテン金子だった。自陣ライトから真っ直ぐに投げたボールが、相手のレフト選手にあたり、体を弾いたボールが後ろのネットに突き刺さった。「狙い通りでした。高いバウンドではなく低めのバウンドでスピードがある投球。ずっと練習してきた攻撃です」(金子)金子はもともと左ウイングの選手である。しかし、去年からライトポジションでもプレーすることが増えた。「東京大会以降、パラリンピックの金メダルを目指す上で、これまでどおりでは勝てないことをチーム全員が痛感していました。そんな中、金子から“右ウイングでもやりたい”と申し出があった。難しかったと思うが、スタイルの異なる攻撃的な宮食と金子を同時にコートに入れることができるようになり、そのスタイルで去年のワールドゲームズを勝ち切れた。今の日本の大きな武器になっています」という工藤力也HCの言葉通りのプレーだった。試合は、前半2対2。前半終盤に途中出場した佐野優人が、後半に1得点したが、その後ウクライナも同点ゴールを決めて3対3となり、延長戦に突入した。延長戦は前後半3分ずつで行われるが、とにかく先にゴールした方が勝者となるゴールデンゴール方式だ。延長戦でコートに入ったのは、後半ゴールを決めた佐野、宮食、そして今大会初出場で守備を担う萩原直輝の3人だ。緊迫した攻守が繰り返される中、延長戦開始から1分半。佐野がボールを受け取ると、ライトから大きくクロス方向に回り込む助走から投球。ウクライナ選手の体で大きくボールが弾かれると、そのままゴールへと転がり込んだ。この瞬間、日本男子の金メダルが決まった。プレー中は静寂に支配されている南アリーナのスタンドが、一気に爆発したような歓声に包まれた。「ゴールデンゴールの瞬間、ホイッスルの音も聞こえず、ただ会場の歓声がめちゃくちゃ上がって、それで自分が決めたんだということがわかりました。思わず飛び上がって、そのあとは、もう瞬時に脱力してしまいました」と、佐野が喜びの実感を口にする。「実際には、延長戦に入る時、どのメンバーをコートに送り出すか、すごく迷いがありました。宮食と金子という攻撃的なメンバーにするのか、佐野を入れてディフェンスから攻撃につなげる守備型にするのか。決勝の後半、佐野が入っていた時間帯にウクライナのディフェンスが佐野の攻撃に合っていないと感じたんです。佐野は、軌道を変えて投球する独特の助走で相手選手を騙すテクニックが武器です。海外の強豪選手はスピードやパワーで押し切るボールには強いが、間をずらすような佐野の攻撃に対して、つい待てずに先走ってしまう傾向がある。ここは、相手が嫌がるボールで勝負しようと。それが最後にゴールデンゴールを生み出しました」(工藤HC)日本の戦略が、世界を制した。東京後の3年間、厳しいフィジカル強化が道を拓き、新たなステージへ日本は5位に終わった東京パラリンピック以降、全員でフィジカル強化に取り組んできた。東京大会に合わせて完成したナショナルトレーニングセンターに常駐するフィジカル強化の専門トレーナーが、選手一人ひとりに合わせたメニューを組み、選手はピークを見据えたプログラムに取り組んだ。例えば宮食は、東京大会の頃には100kgだったウェイト重量が、現在は120kgまで増えたという。「ウェイトの負荷が上がるにつれて、投球のパワーも上がっていくという実感がありました」(宮食)「今朝も、夜の決勝戦に備えて短時間で高出力のウェイトトレーニングをしました。このトレーニングをすることで体のキレが実現します。こうした積み重ねが、大舞台の結果につながりました」(金子)選手の個性を活かしたチーム戦略と、コートで刻々と変化する攻守に自律的に対応しながら、3年間の取り組みの全てを発揮して手に入れた、金メダル。ゴールボールの日本代表「オリオンJAPAN」の歴史に、新たなページが加わったのだった。取材・文/宮崎恵理 写真/吉村もと
車いすテニス男子シングルス、18歳の小田凱人が有言実行の金メダル! 自転車ロードレースでは53歳の杉浦佳子が日本人最年長金メダル!(パリパラリンピック9月7日の結果)

車いすテニス男子シングルス、18歳の小田凱人が有言実行の金メダル! 自転車ロードレースでは53歳の杉浦佳子が日本人最年長金メダル!(パリパラリンピック9月7日の結果)

車いすテニスの男子シングルスで、小田凱人が金メダル。試合直後のインタビューでは「やばい、かっこよすぎる、オレ」とコメント陸上・女子800メートル脳性まひなどのクラスでは、小野寺萌恵がシーズンベスト記録で6位入賞陸上・男子200メートル足に障害のあるクラスでは、井谷俊介がシーズンベスト記録で7位入賞車いすバスケットボール男子決勝では、アメリカがイギリスを73対69で破り金メダル。パラリンピック3連覇を達成した9月7日の日本人選手の結果(決勝種目など)車いすテニス男子シングルス1 小田凱人(WT)自転車女子個人ロードレース(運動機能障害C1-3)1 杉浦 佳子 (C3) 1:38:48男子個人ロードレース(運動機能障害C1-3)15 藤田 征樹 (C3) 1:56:1320 川本 翔大 (C2) 1:58:07陸上女子800m(脳性まひT34・車いす)6 小野寺 萌恵 (T34) 2:15.85男子200m(義足・機能障害T64)7 井谷 俊介 (T64) 23.50女子400m(視覚障害T13)7 佐々木 真菜 (T13) 58.35男子走り幅跳び(視覚障害T13)7 福永 凌太 (T13) 6m55女子100m(義足・機能障害T63)予選敗退 兎沢 朋美 (T63) 15.85予選敗退 前川 楓 (T63) 16.34水泳女子200m個人メドレー(運動機能障害SM5)6 由井 真緒里 (SM5) 3:48.88女子100m自由形(視覚障害S11)8 石浦 智美 (S11) 1:10.85女子50mバタフライ(運動機能障害S7)予選敗退 西田 杏 (S7) 38.05 男子200m個人メドレー(運動機能障害SM10)予選敗退 南井 瑛翔 (SM10) 2:20.30車いすバスケットボール女子7 日本(財満いずみ、柳本あまね、小島瑠莉、江口侑里、土田真由美、西村葵、萩野真世、大津美穂、石川優衣、清水千浪、網本麻里、北田千尋)馬術個人自由演技(障害2)8 稲葉 将 (GII) 66.254カヌー女子バーシングル200m(運動機能障害VL3)12 宮嶋 志帆 (KL2) 1:20.22男子カヤックシングル200m(運動機能障害KL1)準決勝敗退 高木 裕太 (KL1) 1:01.42車いすフェンシング男子エペ団体1回戦敗退 日本(安直樹、藤田道宣、加納慎太郎)写真/吉村もと
連日のメダルラッシュ! 水泳・木村敬一、車いすテニス女子シングルス・上地結衣、柔道・瀬戸勇次郎、廣瀬順子が金メダル! 水泳・鈴木孝幸、車いすテニス男子ダブルス・三木拓也・小田凱人組が銀メダル! 水泳・富田宇宙、柔道・小川和紗、陸上・佐藤友祈が銅メダル!(パリパラリンピック9月6日の結果)

連日のメダルラッシュ! 水泳・木村敬一、車いすテニス女子シングルス・上地結衣、柔道・瀬戸勇次郎、廣瀬順子が金メダル! 水泳・鈴木孝幸、車いすテニス男子ダブルス・三木拓也・小田凱人組が銀メダル! 水泳・富田宇宙、柔道・小川和紗、陸上・佐藤友祈が銅メダル!(パリパラリンピック9月6日の結果)

車いすテニス・女子シングルスの決勝で、上地結衣が大きな壁だった宿敵・デフロート(オランダ)に2対1で逆転勝ち、ダブルスに続く2冠を達成した陸上の男子100メートル車いすのクラスで佐藤友祈が銅メダル。400メートルの銀に続いて2つ目のメダルとなった。この種目、伊藤智也は7位、伊藤竜也は8位男女混合、障がいが異なる選手たちが走る陸上400メートルユニバーサルリレーで日本は4位。沢田優蘭から辻沙絵へのリレーのシーン陸上男子円盤投げ脳性まひのクラスで新保大和は惜しくも4位でメダルを逃す陸上男子1500m知的障害のクラスで赤井大樹は5位9月6日の日本人選手の結果(決勝種目など)水泳男子100mバタフライ(視覚障害S11)1 木村 敬一 (S11) 1:00.90(パラ新)3 富田 宇宙 (S11) 1:03.89男子50m自由形(運動機能障害S4)2 鈴木 孝幸 (S4) 36.85男子50mバタフライ(運動機能障害S5)5 田中 映伍 (S5) 33.258 日向 楓 (S5) 37.09女子100m背泳ぎ(知的障害)6 木下 あいら (S14) 1:09.73予選敗退 芹沢 美希香 (S14) 1:16.41予選敗退 福井 香澄 (S14) 1:16.37男子100m背泳ぎ(運動機能障害S10)8 南井 瑛翔 (S10) 1:04.93男子100m自由形(運動機能障害S8)予選敗退 荻原 虎太郎 (S8) 1:01.81男子100m背泳ぎ(知的障害)予選敗退 山口 尚秀 (S14) 1:02.85車いすテニス女子シングルス1 上地 結衣 (WT)男子ダブルス2 三木 拓也 (WT)、小田 凱人 (WT)柔道男子73キロ級(弱視)1 瀬戸 勇次郎 (J2)女子57キロ級(弱視)1 広瀬 順子 (J2)女子70キロ級(弱視)3 小川 和紗 (J2)男子73キロ級(全盲)1回戦敗退 加藤 裕司 (J1)陸上男子100m(車いすT52)3 佐藤 友祈 (T52) 17.447 伊藤 智也 (T52) 17.678 伊藤 竜也 (T52) 17.91混合400mユニバーサルリレー(視覚障害、義足・機能障害、脳性まひ、車いす)4 日本(沢田優蘭、辻沙絵、松本武尊、生馬知季)男子円盤投げ(脳性まひF37)4 新保 大和 (F37) 51m37男子1500m(知的障害)5 赤井 大樹 (T20) 3:57.586 十川 裕次 (T20) 4:02.68女子1500m(知的障害)9 山本 萌恵子 (T20) 5:16.70女子走り幅跳び(知的障害)13 酒井 園実 (T20) 4m87車いすフェンシング女子エペ個人(障害B)敗者復活3回戦敗退 桜井 杏理 (B)男子エペ個人(障害A)敗者復活1回戦敗退 安 直樹 (A)1回戦敗退 加納 慎太郎 (A)男子エペ個人(障害B)敗者復活1回戦敗退 藤田 道宣 (C)写真/吉村もと
日本メダルラッシュ!! 車いすテニス・女子ダブルスの上地結衣・田中愛美組 、ゴールボール男子、卓球・和田なつきが金メダル! 陸上・福永凌太、柔道・ 半谷静香が銀メダル! ボッチャ・混合チーム、卓球・古川佳奈美が銅メダル!(パリパラリンピック9月5日の結果)

日本メダルラッシュ!! 車いすテニス・女子ダブルスの上地結衣・田中愛美組 、ゴールボール男子、卓球・和田なつきが金メダル! 陸上・福永凌太、柔道・ 半谷静香が銀メダル! ボッチャ・混合チーム、卓球・古川佳奈美が銅メダル!(パリパラリンピック9月5日の結果)

車いすテニス・女子ダブルスで上地結衣と田中愛美がオランダペアに勝って金メダルを獲得。この種目では日本初の金メダルとなった上地結衣は9月6日のシングルスでパラリンピック二冠を目指すゴールボール男子、日本は延長戦の末、ウクライナに4対3で勝利! 男子初めてのメダルが金メダルとなった車いすバスケットボール女子は順位決定戦でイギリスに55対67で敗れ、7-8位決定戦にまわることに9月5日の日本人選手の結果(決勝種目など)車いすテニス女子ダブルス1 上地 結衣 (WT)、田中 愛美 (WT)ゴールボール男子(視覚障害)1 日本(萩原直輝、金子和也、宮食行次、佐野優人、田口侑治、鳥居陽生)卓球女子シングルス(知的障害)1 和田 なつき (11)3 古川 佳奈美 (11)陸上陸上 男子400m(視覚障害T13)2 福永 凌太 (T13) 48.07女子走り幅跳び(義足・機能障害T63)5 兎沢 朋美 (T63) 4.586 前川 楓 (T63) 4.50男子やり投げ(視覚障害F13)7 若生 裕太 (F12) 58.49女子100m(義足・機能障害T64)予選敗退 高桑 早生 (T64) 13.85柔道女子48キロ級(全盲)2 半谷 静香 (J1)ボッチャ混合チーム(脳性まひ)3 日本(遠藤裕美、廣瀬隆喜、杉村英孝)水泳混合200mメドレーリレー(運動機能障害)7 日本(田中映伍、鈴木孝幸、西田杏、由井真緒里)男子100m平泳ぎ(視覚障害SB13)予選敗退 斎藤 元希 (SB13) 1:11.73男子200m個人メドレー(運動機能障害SM9)予選敗退 川渕 大耀 (SM9) 2:28.07男子50m自由形(運動機能障害S5)予選敗退 日向 楓 (S5) 35.47ブラインドサッカー8 日本(後藤将起、平林太一、川村怜、永盛楓人、泉健也、佐々木ロベルト泉、園部優月、佐藤大介、高橋裕人、鳥居健人)車いすフェンシング男子フルーレ団体準々決勝敗退 日本(加納慎太郎、藤田道宣、安直樹)射撃混合ライフル伏射(運動機能障害SH1)予選敗退 岡田 和也 (SH1) 613.3写真/吉村もと
【パリパラリンピック現地レポート】”準決勝のカベ”を破り、ついに!金メダルを獲得した車いすラグビー日本

【パリパラリンピック現地レポート】”準決勝のカベ”を破り、ついに!金メダルを獲得した車いすラグビー日本

ついに、ついに! 車いすラグビーが待望の金メダルを獲得した。9月2日、エッフェル塔からほど近いシャン・ド・マルス・アリーナで19時30分に決勝戦が行われた。この舞台に勝ち上がってきたのは、日本とアメリカ。序盤にアメリカがリードするも、後半には完全に日本がゲームを支配して、48対41で初優勝を決めた。日本は、2016年リオ大会で初めて銅メダルを獲得し、東京2020パラリンピックでは自国で金メダルを、と意気込んでいた。が、準決勝でまさかの敗退、リオに続いて銅メダルとなった。2018年の世界選手権では地元オーストラリアを下して優勝したものの、パラリンピックでは、これまで決勝進出が果たせずにいた。「準決勝のカベ」意識しないようにしても、どうしても頭にこびりついて離れないキーワードだ。パラリンピックの舞台で準決勝の相手を下して決勝進出を決めることは、日本の重要ミッションだった。準決勝は宿敵オーストラリアとの大激戦”スピードスター”橋本勝也は日本のポイントゲッターとして大活躍。準決勝は14得点を挙げ勝利に貢献ベテラン・島川慎一(左)は橋本勝也に「自信を持って走り回れ、勝也は世界で一番強いのだから」と声をかけた準決勝の相手は、昨年アジアオセアニア選手権で決勝戦を戦い、日本が勝利したオーストラリアである。オーストラリアは、2012年のロンドン、16年のリオ大会とパラリンピック2連覇を果たしている。ロンドンでも、リオでも準決勝で対戦し、日本が敗退した。オーストラリアは、因縁の宿敵である。日本もオーストラリアも東京大会からの3年間で、さらなる成長を遂げている。準決勝で対戦するオーストラリアのカベを打ち破れるか。これが、今大会の大きな山場となった。準決勝は大激戦だった。スタートメンバーは、池透暢、池崎大輔という黄金のイケイケコンビに、小川仁士、パラリンピック初出場の草場龍治という3311ラインナップだ。第1ピリオドは12対12、第2ピリオド終了時は24対25。後半第3ピリオド終了時も35対36と1点差のままだった。第4ピリオドに入ると、オーストラリアの激しい攻撃で2点差に広げられてしまう。試合終了まで残り43秒の場面で池がトライを決めて47対47の同点に。さらに残り14.8秒で日本がオーストラリアのエース、ライリー・バットをエンドラインに追い詰めて苦しいタイムアウトを取らせることに成功。14秒は、短いようで長い。トライを決める絶好のチャンスである。日本は残しておいた選手タイムアウトを要求して、追加点を狙った。が、かなわず第4ピリオドが終了。今大会初の延長戦に突入した。延長線では日本が先に1点を奪う。1点を取り合うヒリヒリした展開の中、池がオーストラリアボールをスティールしてトライを決め51対49と差を広げた。オーストラリアが反撃するも、3分間の延長戦が終了。日本は52対51でオーストラリアを退けたのだった。決勝戦はアメリカに快勝! 12人は同じ思いを胸に表彰台の一番高い場所に立ったアメリカのエース・チャック青木(左)とバトルし合った池透暢アメリカはパラリンピック初出場の女子選手サラ・アダム(右)が、池崎大輔を吹っ飛ばすほどの屈強さを武器にチームを牽引。それに対し特に後半、乗松聖矢のディフェンスが冴えわたった。間違いなく日本の勝因のひとつだ決勝戦、橋本勝也はコートに24分4秒立ち、チーム最多の19得点を挙げた。大会を通じてその攻撃力の高さを世界に見せつけた翌2日に行われたアメリカとの決勝戦では、日本は第1ピリオドからアメリカにリードを許した。今大会のアメリカで躍進したのが、女子選手のサラ・アダム。2017年から車いすラグビーを始め、2021年からアメリカの強化指定選手に選出されているが、パラリンピックは今大会が初出場だ。ベテランエース・チャック青木のパスを受けてトライにつなげる、日本の屈強な男子選手のタックルを受けてもびくともしない。池崎が猛タックルを仕掛けた際に、自らの勢いで池崎が転倒してしまう場面もあったほどだ。今のアメリカを背負って立つ、若きエースである。このサラが、前半日本を掻き回し続けた。一方、日本チームで今大会、輝きを放ったのが、22歳の橋本勝也だ。第1ピリオドの途中からコートに入り、キャプテンの池とのコンビネーションプレーでゴールに突進していった。アメリカにリードを許した第2ピリオドも途中交代でコートの入った橋本は、ピリオド終盤にアメリカのパスをスティールしてそのままトライを決めると、残り14秒の場面でトライを決めるために戦略的に取った選手タイムアウトをきっちりと活用して、残りわずか1秒のタイミングでさらなる追加点を決めた。これによって、一時は3点差に広げられていたアメリカのリードをひっくり返して前半を24対23で折り返した。車いすラグビーでは、次のピリオドを有利に進めるために、自チームが得点を決めてピリオドを終了させる戦術が不可欠である。どのチームも、残り2分を切ると、最後にトライを決めてピリオドを終わらせるためのタイムコントロールを図る。第3ピリオド終了間際、橋本に得点させないよう、アメリカが橋本を囲んで攻撃を阻んだ。橋本は慌てずに選手タイムアウトを要求し、その時間を有効に使って最後のトライを決めた。第3ピリオド終了時、アメリカとの点差は3点。日本がリードを広げて最終ピリオドを迎えた。すでに選手タイムアウトを使い果たしていたアメリカは、ミスしてターンオーバーすることは許されない状況の中戦っていた。切迫した状況がさらなるミスを誘う。パスが通らずラインを超えてしまうなどミスが重なり、その度に日本は追加点を挙げていった。終了間際、橋本はアメリカのインバウンドのボールを奪い取った。そのまま終了のホイッスルがアリーナに鳴り響き、橋本はボールを床にバウンドさせて喜びを爆発させた。橋本は、決勝戦のコートに24分4秒立ち、チーム最多の19得点を挙げた。主将・池は32分間フル出場して16得点、対戦したアメリカのエース・チャック青木は30分31秒で14得点。橋本の、攻撃力の高さを示す数字である。「東京大会以降、パリの決勝の舞台に立って金メダルを獲得したとき、自分がチームのキープレーヤーとしてそこにいたい。その一心で練習を重ねてきました」。橋本が、3年分の思いを口にした。延長戦の末、わずか1点差でオーストラリアとの準決勝のカベを破ったが、その大事な1戦を前に、控え室で橋本はエース池崎から、こう囁かれたのだという。「勝也、頼んだぞ」決勝戦のハーフタイムでは、今大会で2004年のアテネパラリンピックから連続出場6大会となる、レジェンド・島川慎一が、橋本と並んでゆったりとラグ車を走らせながら、静かに語りかけた。「自信を持って走り回れ、勝也は世界で一番強いのだから」島川は、リラックスして満面の笑顔を見せる橋本とグータッチを交わして、後半のコートに送り出した。もちろん、日本の悲願の金メダルは橋本一人の活躍で勝ち取ったものではない。池崎が言う。「これまで苦楽をともにしてきた仲間と出した結果。スタッフも含めて誰か一人かけても、この優勝はなかった」池も重ねる。「ここに来られなかった選手、支えてくれたスタッフ、そして決勝戦を戦ったアメリカチーム。その全てに感謝したいと言うのは、選手全員が同じ気持ちでした」世界一のチームで世界一の3.5プレーヤーとして活躍を見せた橋本は、「We are family!って、ずっとこのチームのことを思ってきた。まさにファミリーだと感じています」2016年のリオパラリンピックで初めて日本が銅メダルを獲得して、車いすラグビーの歴史が変わった。そこから8年。東京大会の銅メダルを経て、パリ大会で悲願の金メダルを手にした。日本の車いすラグビーの歴史が、またここから大きく変わっていく。日本のチームの誰もが、口を揃えて強調する。「日本は、本当に強くなった。自分たちのやってきたことが間違いではないことを、ここで証明できた」表彰台の一番高いところにいる12人は、同じ思いで金メダルを胸にしたのだった。取材・文/宮崎恵理、写真/吉村もと
水泳・木下あいらと辻内彩野が銅メダル! ゴールボール男子は決勝進出。車いすテニスは女子シングルスの上地結衣、男子ダブルスの小田凱人・三木拓也組が決勝進出。(パリパラリンピック9月4日の結果)

水泳・木下あいらと辻内彩野が銅メダル! ゴールボール男子は決勝進出。車いすテニスは女子シングルスの上地結衣、男子ダブルスの小田凱人・三木拓也組が決勝進出。(パリパラリンピック9月4日の結果)

ゴールボール男子は準決勝を戦い、前回大会銀メダルで1次リーグで敗れた中国に13対5でリベンジ! 初めてのメダル獲得が確定したゴールボール男子チームは、5日の決勝で1次リーグで敗れたウクライナと再戦する車いすフェンシング・女子フルーレ個人(障害B)に出場した櫻井杏理は、敗者復活4回戦で韓国選手に14対15で惜敗し、3位決定戦に進むことはできなかった男子フルーレ個人(障害A)の加納慎太郎(左)は、敗者復活2回戦で惜しくも敗退9月4日の日本人選手の結果(決勝種目など)水泳女子200m個人メドレー(知的障害)3 木下 あいら (SM14) 2:25.96女子100m自由形(視覚障害S12)3 辻内 彩野 (S12) 1:01.05混合400mリレー(視覚障害)6 日本(富田宇宙、斎藤元希、石浦智美、辻内彩野) 4:07.52男子200m個人メドレー(知的障害)8 山口 尚秀 (SM14) 2:14.98陸上女子砲丸投げ(上肢障害F46)4 斎藤 由希子 (F46) 11.61女子100m(視覚障害T12)予選敗退 沢田 優蘭 (T12) 12.90男子100m(車いすT54)予選敗退 生馬 知季 (T54) 14.73自転車女子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C1-3)6 杉浦 佳子 (C3) 22:38.53男子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C3)7 藤田 征樹 (C3) 40:14.50男子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C2)8 川本 翔大 (C2) 21:50.29ゴールボール6 日本女子卓球男子シングルス(車いす4)準々決勝敗退 七野 一輝 (4)男子シングルス(知的障害)準々決勝敗退 竹守 彪 (11)車いすフェンシング女子フルーレ個人(障害B)敗者復活4回戦敗退 桜井 杏理 (B)男子フルーレ個人(障害A)敗者復活2回戦敗退 加納 慎太郎 (A)1回戦敗退 安 直樹 (A)男子フルーレ個人(障害B)敗者復活2回戦敗退 藤田 道宣 (C)アーチェリー男子リカーブ個人(車いす、立位など)2回戦敗退 上山 友裕 (W2)写真/吉村もと
水泳・鈴木孝幸3つ目のメダル! 卓球・知的障害クラスの和田なつき、古川佳奈美はともに準決勝へ進みメダル確定! 陸上・松本武尊は400m脳性まひクラスで惜しくも4位。ゴールボール女子は準々決勝で敗れ順位決定戦へ。ブラインドサッカーは7-8位決定戦へ(パリパラリンピック9月3日の結果)

水泳・鈴木孝幸3つ目のメダル! 卓球・知的障害クラスの和田なつき、古川佳奈美はともに準決勝へ進みメダル確定! 陸上・松本武尊は400m脳性まひクラスで惜しくも4位。ゴールボール女子は準々決勝で敗れ順位決定戦へ。ブラインドサッカーは7-8位決定戦へ(パリパラリンピック9月3日の結果)

陸上男子400メートル脳性まひクラスでは、2大会連続出場の松本武尊がアジア新記録を出すも、3位の選手にわずか0秒03およばず4位前日、陸上女子円盤投げ座位で銀メダルを獲得した鬼谷慶子の表彰式が行われた卓球の女子シングルス知的障害のクラスでは、和田なつきがブラジル選手に勝ち準決勝進出。ウクライナ選手に勝った古川佳奈美も準決勝へ。ともに初めてのメダルが確定したボッチャ混合団体。杉村英孝、廣瀬隆喜、遠藤裕美の日本は、予選リーグで2連勝して準々決勝に進んだゴールボール準々決勝に臨んだ日本女子は、ブラジルに0対2で敗れ順位決定戦へブラインドサッカー予選リーグ第3戦で、日本は強豪アルゼンチンと対戦。0対1で敗れて予選リーグ3戦全敗となり、7位と8位を決める順位決定戦に回ることに9月3日の日本人選手の結果(決勝種目など)水泳男子200m自由形(運動機能障害S4)3 鈴木 孝幸 (S4) 2:55.17男子100mバタフライ(運動機能障害S10)6 南井 瑛翔 (S10) 59.84男子50m背泳ぎ(運動機能障害S5)6 田中 映伍 (S5) 36.247 日向 楓 (S5) 38.23男子200m個人メドレー(視覚障害SM13)8 斎藤 元希 (SM13) 2:17.51女子200m個人メドレー(視覚障害SM11)予選敗退 小野 智華子 (SM11) 3:15.30女子100m背泳ぎ(運動機能障害S9)予選敗退 宇津木 美都 (S9) 1:20.08陸上男子400m(脳性まひT36)4 松本 武尊 (T36) 53.63男子1500m(視覚障害T11)4 唐沢 剣也 (T11) 4:04.40男子やり投げ(上肢障害F46)6 高橋 峻也 (F46) 59.767 山崎 晃裕 (F46) 57.67男子1500m(車いすT54)7 鈴木 朋樹 (T54) 2:53.99女子100m(上肢障害T47)予選敗退 辻 沙絵 (T47) 12.94卓球女子シングルス(立位8)準々決勝敗退 友野 有理 (8)男子シングルス(立位7)準々決勝敗退 八木 克勝 (7)男子シングルス(立位9)1回戦敗退 岩渕 幸洋 (9)ボッチャ混合ペア(運動機能障害・脳性まひBC3)1次リーグ敗退 一戸 彩音 (BC3)、有田 正行 (BC3)馬術個人規定(障害2)規定敗退 吉越 奏詞 (GII) 61.724フェンシング男子サーブル個人(障害A)敗者復活3回戦敗退 加納 慎太郎 (A)ゴールボール準々決勝敗退 日本女子写真/吉村もと
車いすラグビー、悲願&歓喜の金メダル! バドミントン車いすクラスでは里見紗李奈、梶原大暉がシングルスでアベック優勝! 陸上・鬼谷慶子(円盤投げ座位)、水泳・山口尚秀(知的障がい100m平泳ぎ)が銅!(パリパラリンピック9月2日の結果)

車いすラグビー、悲願&歓喜の金メダル! バドミントン車いすクラスでは里見紗李奈、梶原大暉がシングルスでアベック優勝! 陸上・鬼谷慶子(円盤投げ座位)、水泳・山口尚秀(知的障がい100m平泳ぎ)が銅!(パリパラリンピック9月2日の結果)

車いすラグビー決勝で、日本はアメリカに48対41で勝ち、初めての金メダルを獲得した。後半、乗松聖矢(左)のタックルが冴えわたり、アメリカの持ち味である攻撃力を封印。勝利へ前進した喜びを分かち合うイケイケコンビ。キャプテンの池透暢(左)は「みんなの夢がかなった最高の瞬間で、最高の喜びだった」とコメント。池崎大輔(右)も感極まった様子卓球・男子シングルス立位7(運動機能障害が重いクラス)の1回戦、昨年のアジアパラ大会で金メダルを獲得した八木克勝がフランス選手に3対0で勝利車いすバスケットボール女子ではアメリカに52対62敗戦。予選リーグは3連敗でグループBの4位で終わった。引き続き準々決勝が行われる(写真右はキャプテンの北田千尋)9月2日 日本人選手の結果(決勝種目ほか)車いすラグビー1 日本(池崎大輔、草場龍治、池透暢、小川仁士、若山英史、長谷川勇基、倉橋香衣、羽賀理之、島川慎一、中町俊耶、乗松聖矢、橋本勝也)バドミントン女子シングルス(車いすWH1)1 里見 紗李奈 (WH1)男子シングルス(車いすWH2)1 梶原 大暉 (WH2)女子シングルス(車いすWH2)4 山崎 悠麻 (WH2)男子シングルス(下肢障害SL3)4 藤原 大輔 (SL3)陸上女子円盤投げ(座位F53)2 鬼谷 慶子 (F53) 15m78男子走り幅跳び(視覚障害T12)5 石山 大輝 (T12) 6m75水泳男子100m平泳ぎ(知的障害)3 山口 尚秀 (SB14) 1:04.94女子100m平泳ぎ(知的障害)6 芹沢 美希香 (SB14) 1:19.38女子50m自由形(視覚障害S13)予選敗退 辻内 彩野 (S12) 28.20混合400mメドレーリレー(運動機能障害)予選敗退 日本(窪田幸太、宇津木美都、川渕大耀、福田果音) 4:52.39トライアスロン男子車いす8 木村 潤平 (PTWC1) 1:07:54女子運動機能障害PTS29 秦 由加子 (PTS2) 1:34:03男子視覚障害11 米岡 聡 (PTVI1) 1:05:54男子運動機能障害PTS412 宇田 秀生 (PTS4) 1:07:02卓球男子シングルス(立位10)準々決勝敗退 舟山 真弘 (10)男子シングルス(車いす4)1回戦敗退 斉藤 元希 (4)車いすテニス女子シングルス2回戦敗退 田中 愛美 (WT)2回戦敗退 高室 冴綺 (WT)2回戦敗退 大谷 桃子 (WT)男子シングルス3回戦敗退 三木 拓也 (WT)3回戦敗退 真田 卓 (WT)3回戦敗退 荒井 大輔 (WT)写真/吉村もと
みんなで一緒に日本代表を応援しよう!「NHK PARIS&PARA DAYS」開催

みんなで一緒に日本代表を応援しよう!「NHK PARIS&PARA DAYS」開催

パリパラリンピック期間中の8月31日~9月1日、NHKが主催し、TEAM BEYOND(東京都パラスポーツ応援プロジェクト)が協力する「NHK PARIS&PARA DAYS」が都内で開催された。イベント初日は陸上競技を観戦このイベントは、会場に集まった参加者が一体となって、パリパラリンピックに出場している日本代表を応援しよう!というもの。初日はゲストと一緒に競技を観戦する「パラリンピック観戦トークショー」、2日目はテレビの生放送とともに観戦する「“公開生放送型”パブリックビューイング」が行われた。また、会場のとなりのスペースでは、展示された競技義足や競技ボールなどを手に取ったり、さまざまなパラスポーツ体験ができる「パラスポーツにふれてみよう!」が開催された。取材に伺ったイベント初日のパラリンピック観戦トークショーは、フリーアナウンサーの北原俊佑さんがMCを務め、タレントの吉富さくらさんと、パラリンピアンで陸上短距離と走り幅跳びの選手の大西瞳さんがゲストとして登壇した。フリーアナウンサーの北原俊佑さん(右)がMCを担当。タレントの吉富さくらさん(中)、パラリンピアンの大西瞳さん(左)がゲストとして登壇この日は陸上競技が生中継され、まずは男子5000メートル視覚障がいのクラスを観戦。北原さんは学生時代に陸上中距離の選手だったというだけあって、ちょっとマニアックな解説付きMCで参加者の耳を引き付けた。また、ダンスをやっていたという吉富さんは、「母が陸上選手だったこともあり、ダンス以外にやるなら陸上だと思っていた」とのこと。大西さんのパラリンピック現場情報も加わって、会場に集まった参加者はパラ陸上の魅力にどんどん引き込まれていった様子だった。MCの北原さんは元陸上選手。「ペースアップよりペースダウンがきつい」「目が見えないのにトラック内側のレールを踏まないのがすごい」など経験者ならではの解説で会場を盛り上げた最初の挨拶を手話を交えて行った吉富さん。パラスポーツは「知れば知るほど奥が深く、観戦がよりおもしろくなる」という競技の合間には、パラリンピックの歴史や豆知識を吉富さんが紹介。また大西さんは、自身が出場したリオ大会の競技映像を解説したほか、使用する競技用義足を公開し、実際に脚につけて走り方をデモンストレーションした。大西さんは自身が使う競技用義足を披露。義足に体をフィットさせるための苦労や、足にはめるソケット部を大好きな花柄で作って気分を上げる話などを聞かせてくれたパラリンピックは、独自のルールやクラス分けなどがあり、また選手の障がいの程度や競技力を高めるための苦労など、わかりにくい部分がたくさんある。だからこそ、今回のイベントのように、解説付きで観戦できると、より楽しめることは間違いない。さらに、大勢で応援すると興奮度が格段にアップする。こうした催しがもっと増え、パラスポーツファンがもっともっと増えると素晴らしいなと感じた。パブリックビューイング会場のとなりのスペースでは、競技用義足やボール、NHK「アニ×パラ」関連の展示などがあり、一般開放されたこの日は大勢の人が訪れていた

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パリパラリンピック日本代表選手決定!(第2次発表)
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