ハンドバイクをはじめよう!
一般的な車いすは、その構造上行動範囲が非常に限られる。しかし、ハンドバイク、もしくはハンドサイクルといった補助用具を車いすに装着することで、劇的に行動範囲が広がることをご存知だろうか。
ハンドバイクは、自転車の駆動部分のシステムを利用した補助用具。自転車であればペダルを足で漕ぐことで推進力を生み出すが、ハンドバイクは手で漕ぐことで推進力を引き出して走るのである。ハンドバイクは、国産から外国製までいくつかメーカーがあるが、いずれも装着するのはそれほど難しくない。また、充電池を装着し電力のパワーを利用して走ることができる、いわゆる電動アシストタイプもあり、乗り手の嗜好に合わせてタイプが選べる。
野島 弘(以下、野島)は、普段からハンドバイクを利用するひとり。野島曰く、ハンドバイクを利用することでの楽しさは、車いすのそれとは比べ物にならないという。
「まずは、そのスピード。自転車とまではいかないが、それでも車いすで移動するより格段に速いスピードで走ることが可能です。だから、今まで見たことのない、感じたこともない、新しい世界に出会えます。乗り手がその気になれば、自転車ツーリングのように、車いすツーリングが可能。それこそ、1泊2日くらいの旅に出かけたくなります」
実際のスピードは確かに、自転車のそれに近いものがある。ただ、注意すべきことはいくつかある。まずはポジション。これが合っていないと、とても疲れやすくなる。
「ハンドバイクを選ぶ際のポイントにもなるが、装着しペダル部分を持った時にヒジが適度に曲がるのがベスト。伸び切ったり、必要以上にヒジを折りたたむようなポジションの場合は調整が必要になります」
今回は、ハンドバイク初心者の中島涼子さんと桐生寛子さんに、その試乗感を伺った。
「使うのは、今回で2回目。車いすより断然快適です。どこかに行きたくなります」(桐生)
「初めて電動アシストタイプを使用してみました。とてもラクで、少ない力でもしっかり進むので、女性やパワーに自信のない方にもオススメです」(中嶋)
気になる値段は、メーカーによって異なるのでそれぞれ問い合わせてみよう。もっと自由に出掛けてみたいと考える方に、俄然オススメしたい。ハンドバイクでいつもより遠くへ出かけてみてはいかがだろう。
写真/甲斐啓二郎 文/編集部
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