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  「競泳」の魅力に迫る(小山恭輔)

「競泳」の魅力に迫る(小山恭輔)

「東京2020パラリンピックは水泳人生の集大成になる大会だ」 筋肉の発達以外にも、身体の残存機能を強化することでパワーアップするチャンスがあるパラアスリートは長競技生活が長い。それでも現在32歳の年齢から、東京大会は金メダルを獲るラストチャンスだと自分を鼓舞する。 2008年北京パラリンピックで銀メダルを獲得すると、周囲が次は金メダルだと期待した。そして4年後のロンドン大会は銅メダル、リオ大会は5位入賞だった。モチベーションが上がらず、練習に集中できない時期が続いた。 「リオ大会の時は、自分はここにいていい選手なのかと思っていた」 そのことについて「30歳の葛藤かな」という。そして、「みんなはみんな、自分は自分だ」と吹っ切れた今は、アスリート雇用の選手として自分と向き合い練習の日々をすごす。 「水のなかでは音が聞こえない。それが好き」 そして順位よりも自己ベスト更新にこだわる。3月のパラ水泳大会春季記録会では、50mバタフライで31秒75を出して今季の日本代表に選出された。 「リオ大会の31秒98を超えることが目標だった」 自ら設定した課題をクリアできたことで、東京へステップアップしていくためにも幸先のよいシーズンインとなった。 「アテネパラリンピックの時、半身まひで自分とおなじ障がいをもつ金メダリストが泳いでいるのを見て、自分もそうなりたいと思った」それが競泳を始めたきっかけ。それから10年以上がたち、自分が若いスイマーから目標とされる選手になろうとしている。 「かっこいいと思われるようなスイマーになりたい。東京大会ではファンとの交流が楽しみ」と笑顔で話してくれた。   取材・文/安藤啓一 写真提供/一般社団法人日本身体障がい者水泳連盟、東京ガス


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