「競泳」の魅力に迫る (水上真衣)
3月、2018年パラ水泳大会春季記録会においてインドネシアで開催されるアジアパラ競技大会の推薦候補の標準記録を突破。東京2020パラリンピックを目指していくなか、今年は国際大会で結果を出さなければならない重要なシーズンだ。
「昨年は日本代表に選出されなかった。消極的だったと思う。もっと貪欲にがんばっていきたい」
アジアパラ強化指定選手に選ばれたことで、夢の実現に向けて大きなチャンスをものにした。
水泳は2歳の時から続けている。リハビリを期待して親が通わせたのがプールとの出会いだった。競泳は中学生の時から。
「2004年のアテネパラリンピックで成田真由美さんたちの泳ぎをみて、かっこいいなと思った」
2009年、アジアユースパラゲームズに出場して金メダルを獲得するなど、世界大会でも活躍するようになった。「中学生のころは、自分の障がいを隠していた」というが、いつしかパラスポーツの世界でスポットライトのあたる選手になっていた。
現在は東京ガスの社員として働きながらパラリンピック出場を目指している。
「社会人としての経験を積み、練習も仕事もがんばっていきたい」
中途半端なトレーニングでパラ出場が叶うとは思っていない。それでも自立した大人の女性としてパラリンピアンになることが水上のスタイルだ。
応援されることは選手としてのモチベーションになっている。
「試合会場には会社の皆さんが応援に来てくれた。アジアパラの候補に決まった時、周りにいる人たちの笑顔がうれしかった」
そして「パラ水泳の会場で私の姿を見てほしい」という。「地元の東京で開催されるパラリンピックだから絶対に出たい」と今日もプールで練習に励んでいる。
取材・文/安藤啓一
写真提供/一般社団法人日本身体障がい者水泳連盟、東京ガス
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