親子で楽しむチェアスキー教室
日本チェアスキー協会の野島 弘(以下、野島)が音頭を取り、日本チェアスキー協会が中心となり中外製薬のサポートのもと開催されたイベントは、2日間で参加者をすべれるようにするのが大きなミッションだ。ただ、この他にも、「チェアスキーを通じた大人との関わり合いのなかで、社会的な人間形成や、それこそ子供同士一緒になって目標に向け切磋琢磨することの大切さを育むことも目的」と、発起人の野島は話した。
今回の教室は、参加者のほとんどが初心者で、経験があっても数回しかすべったことがないといった状況だった。だからチェアスキーですべるという行為は、ドキドキのチャレンジとなった。
初日は、まず各人にチェアスキーのセッティングを合わせるところから始まった。
「実際に座るバケットシートの調整がチェアスキーですべる上でいちばんのポイントになります。バケットシートが身体に合っていないと、ストレスなくチェアスキーを操作することができないからです」(野島)。
セッティングができたら、すぐさまゲレンデへ。リフト乗車の前に開会式を行ない、ひとりのチェアスキーヤーに対して、大人のガイドがふたりサポートにつき、合計3名のチームでゲレンデへと飛び出した。
今回ガイドを担当したのは、日本チェアスキー協会のスタッフと中外製薬の社員ボランティア。教室の開催前日から現地に入り、ガイド講習を受け教室に備えた。ガイドはチェアスキーにつないだガイドロープ伝いに背後からスキーヤーにターンのコツを体感させ、最終的にはひとりですべれるようにしなくてはならない。そのためには、ガイドにも知識やコツが必要になるからだ。
2日目は、今回の会場となった舞子スノーリゾートのゲレンデ山頂から、初級コースを使いダウンヒル。そして、最後は、ひとりですべるお披露目タイムとスケジュールは進む。
このイベント、最後のお披露目タイムがとても重要なポイントになる。みんなの前で、自分がいかにすべれるようになったかを披露する場に向け、参加者たちは、2日間という短い時間のなかで努力し、またガイドと協力し合い、そして他のスキーヤーと切磋琢磨しながら自分のすべりを研くのである。
お披露目タイムでは、途中で転ぶ人もいたが、参加者の大きな声援のもと参加者全員が楽しそうにバーンをすべりきった。
「操作は簡単じゃなかったけど、ターンができて気持ちよかった!」とは、関西から参加した新倉百々花ちゃん。
彼女をはじめ、多くの参加者が心から今回のイベントを楽しむことができたようだ。なぜなら、それぞれの達成感がその笑顔に滲み出ていたからだ。
写真/樽川智亜希
文/編集部
page top