「ボッチャ東京カップ2019」の熱戦!
2019年3月9日、東京都武蔵野市にある武蔵野総合体育館にて「ボッチャ東京カップ2019」が開催された。
勝ち進むとリオパラリンピックで銀メダルを獲得したボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」が待ち構える、非常にハイレベルな大会だ。
そして、障がいを抱えていない一般チームがエントリーできることも特徴のひとつ。
会場には2018年開催の予選大会を勝ち進んだ健常者チームや大学生チーム、小学生チームが名を連ねた。世界で戦う現役パラリンピアンと健常者の真剣勝負は、ここでしか見られない。
大会の波乱は開始早々。予選リーグでは、武蔵野市大野田小学校の3年生が結成したチームが、ウィルチェアーラグビー日本代表の池崎大輔選手、車いすバスケットボール元日本代表の根木慎志選手らで結成されたチームに勝利した。
年齢や性別に関係なく、同じ土俵で戦えるというボッチャのおもしろさがわかる象徴的な一戦となった。
その後は、予選を勝ち抜いた6チームと、AとBの2チームに分かれた日本代表の計8チームで決勝トーナメントが組まれた。
日本代表の圧倒的なプレーが光るなか、準決勝で「NECボッチャ部(以下、NEC)」という健常者チームに日本代表Bチームが敗れる大波乱に、会場内がどよめいた。
決勝戦は、圧倒的な強さで勝ち上がりを見せた日本代表AチームとNECのカードが実現。NECの点数先行からスタートした試合展開に、観客の注目が一気に集まる。Aチームが必死に食らいつく一進一退の勝負が繰り広げられた。
決勝戦は4エンドで組まれていたが、全エンド終了時点でお互いが3得点の拮抗状態。試合はなんと、今大会特別ルールとなる一球勝負のサドンデスへともつれこんだ。
NECの田村和秀選手が先攻で投げるも、行方は惜しくもジャックボールのわずか手前。チャンスを逃さなかった日本代表の河本圭亮選手が、ピタリと寄せる完璧な一投でNECを下し、Aチームが優勝に輝いた。
「NECチームがすごく強くて、良い試合ができました。やばいと思うところはたくさんありましたけど、チームメイトを信じてがんばりましたので、勝利に繋がったと思います」と、優勝チームを代表して火ノ玉JAPANの杉村英孝選手。
障がい者と健常者、ハンデなく対等にぶつかり合うことのおもしろさは、ボッチャでしか味わえないだろう。
取材・文/編集部 写真/吉村もと
page top