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  一般の部との共催大会『木下グループジャパンオープン』での優勝の意味

一般の部との共催大会『木下グループジャパンオープン』での優勝の意味

 木下グループジャパンオープン2023の男子車いすテニスの部(ITFグループ2)で、第1シードの小田凱人(ITF男子車いすテニスランキング1位、以下同)が、第2シードの眞田卓(8位)を、6-3、6-3で破って初優勝を飾った。

昨年の決勝で、当時5位の小田は、当時2位の国枝慎吾に、3-6、6-2、6-7(3)、2時間27分に及んだフルセットで敗れて準優勝に終わっていたが、今年は雪辱を果たした。

小田は、17歳とは思えないような落ち着いた佇まいと口調で、初優勝の感想を述べた。

「昨年優勝できなかったので、今年優勝できてすごく嬉しい。本当に満足できる試合ができたと思います」

優勝を決めた瞬間、喜びを爆発させる(写真・編集部)

この大会は、健常者のATP500ジャパンオープンとの共催大会で、2019年に第1回大会が初開催され、今回が第3回目となった(2020年と2021年は開催されず)。そして、トーナメントディレクターを、元プロ車いすテニス選手で、世界1位だった国枝慎吾氏が務めた。共催によって、車いすテニス選手の名前をより知ってもらったり、車いすテニスの認知度や人気が上がったりすることも期待される。

「車いすテニスをやっている選手としては、有難いことですし、普段はなかなかそういう機会がないので。それを日本で実現してもらえたのは、車いすテニスにとって良い影響があるし、車いすテニスを広めるということに関しても効果的というか、すごいいい場になると思う。それもあって、ここでプレーする意味が、他の大会と違ってあります。去年の決勝で印象に残るプレーもできましたし、今年は多くの人に見てもらって、実際に車いすテニスを体感してもらえたというのは、今後にすごくつながると思いますね」(小田)

世界ランキング8位の眞田と今後も切磋琢磨を続けていくだろう(写真・編集部)

 ジャパンオープン優勝後、小田は、アジアパラ競技大会に出場して金メダルの獲得を目指す。さらに、車いすテニスのワールドツアーで年間成績上位8人しか出場できない、ツアー最終戦の車いすマスターズ(10/30~11/5)に出場予定だ。過密スケジュールではあるが、ベストを尽くして、世界最高峰の車いすテニスを披露していくことになるだろう。

( 文・メイン写真/神 仁司 )



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