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  新スローガンは「挑め未来!」。ロサンゼルス2028パラリンピックを目指し、日本パラ陸上の新体制が発足

新スローガンは「挑め未来!」。ロサンゼルス2028パラリンピックを目指し、日本パラ陸上の新体制が発足

3月27日(木)、日本パラ陸上競技連盟の「中期計画・強化方針」記者会見が行われた。

登壇したのは、日本パラ陸上競技連盟会長・増田明美氏、今年から専務理事に就任した杉本敦男氏、同じく新たに強化委員長に就任した鈴木徹氏、知的障害クラスのハイパフォーマンスディレクター・奥松美恵子氏の4名。2028年に開催されるロサンゼルスパラリンピックに向けた中期計画と強化方針と、連盟の新スローガンおよびロゴが発表された。

連盟の主な活動目的は「障がい者が陸上競技を通じ、元気で、生き生きする共生社会の実現」であり、その過程としてロサンゼルスパラリンピックでの目標達成を目指している。

今回、新たに強化委員長に就任した鈴木氏は、2000年シドニー大会から2021年東京大会まで走り高跳びやリレーに出場。パラリンピアンの強化委員長誕生は初めてだ。長年の経験を活かし、強化委員長という立場で後進をサポートしていくという。

「パラ陸上の日本チームは、東京大会では金メダル2個を含む全11個のメダルを獲得しましたが、昨年のパリ大会では金メダル0、総数9個に終わりました。3年後のロサンゼルス大会では、金メダルを含め全13個以上のメダル獲得を目指します」(鈴木氏)

そのための方策として、ゴールドメダルターゲット選手や、メダル獲得が期待される注目選手への包括的なサポートとともに、現在、一般の陸上競技で活躍している障がいを持つ選手を含めた即戦力選手の発掘や育成、そして競技力向上のための環境を整えていくとのこと。

映像分析や心理・栄養サポートなど、選手の競技力向上を後押しするチームとしての環境整備はもちろんだが、例えば日本で国際グランプリ大会開催する、また、ガイドランナーの増員や子育てアスリートたちの支援など、支えるスタッフの強化や育成にも力を注いてくそうだ。

知的障がいクラスは、2012年のロンドン大会からパラリンピックに出場しているが、日本はまだメダルを獲得していない。ロサンゼルス大会では、悲願のメダル獲得を目指して、400m、1500m、走り幅跳びで活躍が期待される若手選手を中心に強化を図っていく旨が発表された。

今回の活動スローガンは、パラ陸上に携わる選手をはじめ、広く関係者から公募した。3月3日から23日までの20日間に124もの応募があり、その中から選ばれたのは、脳性麻痺クラスの坂口美果選手による「挑め未来!」だ。シンプルで力強い言葉とロゴが、今後パラ陸上競技のさまざまなシーンで見られることになる。

新しく専務理事に就任した杉本敦男氏は、2024年3月まではコーヒーメーカーや暖房器具などの家電メーカーであるデロンギ・ジャパン株式会社の代表取締役社長だった。もともとサッカーやホッケーに親しみ、40代でフルマラソンを始めたスポーツマンでもある。社会貢献としてパラ陸上競技に興味を持ち、連盟の専務理事に就任した。

「昨年、神戸で開催された世界パラ陸上競技選手権をライブで見て、本当に感動しました。スポーツはワクワクするじゃないですか。そのワクワク、感動をどう伝えていくか、広めていくか。パラ陸上競技のブランディングや、どういう人が興味を持って応援してくれるかというマーケティングなどで力を尽くしていきたいと思っています」(杉本氏)

今年4月26日~27日には愛媛県で日本選手権、6月7日~8日には宮城県でジャパンパラ陸上競技大会が開催される。新しい体制で一丸となってロサンゼルスパラリンピックを目指す日本パラ陸上競技連盟の第一歩に、期待しよう。

文・写真/宮崎恵理



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