
日本が決勝で韓国を破って優勝! ジャパンパラ車いすラグビー競技大会
7月24日〜26日、愛知県刈谷市にあるウイングアリーナ刈谷で、「日本パラスポーツ協会設立60周年記念大会 ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が開催された。

ウイングアリーナ刈谷は、来年開催される「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」の車いすラグビー会場。これまで車いすラグビーの国際大会会場は、東京や千葉など関東圏が中心だったが、今大会は初めて愛知県で行われ、愛知・東海エリアの車いすラグビーファンにとっては、地元でライブ観戦できる初のチャンスとなった。
今大会は、韓国とニュージーランドの代表チームを招いて開催された。パリ2024パラリンピックで悲願の金メダルを獲得した日本は、初日、1試合目のニュージーランド戦を52対36で圧勝。続く韓国戦は、第3ピリオドまで韓国に1点のリードを許すハラハラ・ドキドキのシーソーゲームとなったものの、最終第4ピリオドで日本のディフェンスが韓国のミスを誘い47対42で逆転勝利した。
2日目もニュージーランド、韓国と対戦して勝利した日本は、全勝で最終日の決勝戦に進出。ニュージーランドとの試合に勝利した予選2位の韓国と対戦した。韓国とは初日は第4ピリオドで逆転勝利。2日目は日本が終始リードしていたものの、前半終了時には2点差に迫られていた。韓国には、福岡ダンデライオンでプレーしているパク・スンチョル、ウチョル兄弟、フィジカルに優れたリ・ソンヒーがいる。日本の戦い方を理解し、パワーと連携のうまさで日本を追い上げていた。
決勝戦の日本の先発メンバーは、橋本勝也、白川楓也、小川仁士、長谷川勇基の4人。前日まで長谷川は体調不良で欠場していた。とはいえ、この4人は、昨年パリパラリンピックで金メダルを獲得した時に出場していたメダリストメンバーだ。
第1ピリオドでは15対11とリードしていたが、第2ピリオドでわずかなミスを誘われ、26対26の同点で折り返す。しかし、その後は再び固い守備からトライライン付近に走るローポインターへのロングパスが何度も成功し、56対49で完全優勝を遂げた。




また、最終日の第1試合はエキジビションゲームとして行われ、予選3位のニュージーランドが、Japan Exhibition Teamと対戦。42対38でニュージーランドが勝利した。

来年のアジアパラ、その先のロスアンゼルスを目指して若手が経験を積む
今大会は、若手選手を中心にしたメンバー構成で、決勝戦で先発した4人のほか、若山英史、草場龍治を含めた6人が、パリ経験組。メンバーの半分はフレッシュな選手である。長谷川が体調不良だった2日間、唯一の0.5点選手として出場した川口健太郎は今年のシブヤカップから日本代表に選出されている。21歳の時にサーフィンの事故で頸髄を損傷したが、1年後には車いすラグビーを始めたという26歳。リーチの長さが188cmと、今大会メンバー最長を誇り、腕の長さも活用して相手選手のパスや行手を阻んでいた。

今年11月にはタイ・バンコクで来年の世界選手権出場を見据えたアジアオセアニア選手権が開催される。そして来年10月には、今大会と同じ会場で開催されるアジアパラ競技大会も控えている。韓国は、今後、アジアにおける日本のライバルとして立ちはだかってくるはずだ。その前哨戦であるジャパンパラ競技大会、日本代表は、猛暑以上の熱い戦いで大会を締め括った。
取材・文/宮崎恵理 写真/吉村もと