
「生涯ゴールデンスラム」達成の小田凱人が凱旋帰国
9月2日〜6日、アメリカ・ニューヨークで行われた車いすテニスのグランドスラム大会、全米オープンに出場した小田凱人が、男子シングルス、ダブルスの2冠を達成。全米オープンでのシングルス優勝は初めてで、これにより小田はグランドスラム4大会と、パラリンピック金メダルの全てで優勝した「生涯ゴールデンスラム」を達成した。
今回の全米オープンの男子シングルス決勝で対戦したのは、アルゼンチンのグスタボ・フェルナンデス。マッチタイブレークにもつれ込み、一時はフェルナンデスにリードを許し6-9でマッチポイントを先に取られながらも、最後は6-2、3-6、7−6(13-11)で勝ち切った。
一方、ダブルスではフェルナンデスと組み、イギリスのアルフィー・ヒューイット/ゴードン・リード組を6-1、2-6、10-6で下して優勝した。

羽田空港に到着した小田の凱旋記者会見が行われた。小田は、生涯ゴールデンスラム達成という偉業について、次のように語った。
「虹は雨の後でしか見られません。雨の中でも見られません。全てが過ぎ去った後に虹は見られます。僕にとってニューヨークでの出来事は、そんなものでした。どんなに結果を信じても、夢を願っても人を愛しても、それが叶わない時や愛されない時もあります。自分を信じて、自分のことを愛するまでは。僕は自分のことを信じられなくなったことは一度もありません。僕は自分を愛せなくなったこともありません。だから僕は虹を見られたのだと思っています」
なんと、詩的な感想!
一方で、「帰りの飛行機の中で、封印していたお菓子をご褒美に解禁しました」と、19歳らしい一面も。

今月27日〜29日には有明テニスの森で木下グループジャパンオープンが開催され、小田も出場する予定だ。日本でのテニスの聖地である有明で、世界一の小田のプレーをぜひ見てほしい。
文・写真/宮崎恵理