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  【木下グループジャパンオープンテニス2025】小田凱人が圧巻の3連覇!

【木下グループジャパンオープンテニス2025】小田凱人が圧巻の3連覇!

「久しぶりに有明のコートに戻ってきて、試合前からワクワクしていました」

そう語るのは、9月、アメリカ・ニューヨークで行われた全米オープンでの優勝を果たし、生涯ゴールデンスラムを達成した小田凱人(東海理化/シングルス世界ランキング1位)だ。

9月22日〜30日に開催された木下グループジャパンオープンテニス2025。27日〜29日には男子車いすテニス部門が行われ、全米オープンから凱旋帰国した小田が、日本のコートに姿を見せた。

この大会は、国内で唯一開催されているATP(男子プロテニスツアー)公式戦。1972年から行われている伝統と格式のある大会である。2019年に車いすテニス部門が設置され、今年5回目を数える。シングルスは8名、ダブルスは4組が出場した。

小田は1回戦を6-0、6-0、準決勝を6-1、6-0で勝利し、決勝に駒を進めていた。

決勝戦は、センターコートである有明コロシアムで実施された。月曜日、午前中にもかかわらずスタンドには多くの観客が詰めかけた。

決勝で小田と対戦したのは、世界ランキング19位の荒井大輔(BNPパリバ)である。

生まれつき右脚脛骨欠損という障がいがあり、日常的に義足を使用しているが、中学時代には軟式テニスで活躍した。車いすテニスを始めたのは、社会人として岐阜県に在住していた時期である。のちに、同じクラブに小学生の小田が所属し、先輩選手として接してきた。

今大会、小田は生涯ゴールデンスラムを達成した王者の風格を見せつけた

ゲーム序盤から小田は、荒井にポイントを与えない圧倒的な強さを見せつけた。得意のサーブでは、コートの外側にボールが跳ねるワイドサーブでエースを取り、積極的に前に出てショットを繰り出した。荒井も得意のリターンで反撃を試みるが、なかなかブレイクには至らない。

「荒井さんは、絶対にリターンで狙ってくるだろうというのは想定していましたし、前回対戦した時にも、同じように前に出てくることも何度もありました。自分のサーブが荒井さんにとって嫌なコースをついていたことで、ポイントが取れたと思っています」

小田が振り返る。

この試合で小田のファーストサービス確率は1セット目が84%、2セット目も63%で、トータルでは69%であった。一方の荒井は、トータルで42%。小田のサービスの精度がいかに高いかを示している。

生涯ゴールデンスラムを達成した王者の風格を見せ、小田は6-0、6-0で完勝。木下グループジャパンオープンでの3連覇を果たした。

「最高の日。思い出に残る試合になりました。荒井さんは、僕が子どもの頃、先輩選手として僕に海外ツアーのことなど、いろんなことを教えてくれた。同じ舞台で対戦できたことがすごく嬉しいです。センターコートで自分の強さを見せることが、今大会のテーマでした。それが実現できたと思っています」

生涯ゴールデンスラムを達成し、小田は次の目標に向かって突き進んでいく

今大会の健常者の部には、男子シングルス世界ランキング1位のカルロス・アルカラス(スペイン)が初出場している。アルカラスは19歳のとき全米オープンで初優勝し、史上最年少で世界ランキング1位に輝いた。アルカラスも、今大会のトーナメントを順調に駆け上がり、車いすテニス決勝戦が行われた翌30日に、優勝を決めた。

22歳のアルカラスと、19歳の小田。2人の世界一が揃った木下グループジャパンオープン2025は、新たな歴史を刻んだのだった。

取材・文/宮崎恵理 写真/編集部



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