
ミラノに向けて!パラアイスホッケー全国クラブ選手権大会レポート
2025年12月6日〜7日、東京辰巳アイスアリーナで第34回パラアイスホッケー全国クラブ選手権大会が開催された。出場したのは、北海道ベアーズ、東京アイスバーンズ、長野サンダーバーズ、東海アイスアークス、ロスパーダ関西の5チーム。

会場となったのは、以前は国際規格の競泳プールとして親しまれてきた「東京辰巳国際水泳場」。今年9月に改修が完了し、新たに東京都立としては初となるアイスリンクに生まれ変わった。
日本代表は、今年11月にノルウェーで行われた最終予選で優勝し、3月に開幕するミラノ・コルティナ2026パラリンピックへの出場権を獲得。平昌大会以来8年ぶりとなるパラリンピック出場を決めた選手たちが揃い、クラブチームの日本一を決める大会だ。
第1試合は、東海アークス対ロスパーダ関西。ロスパーダ関西には、ノルウェーでの最終予選でベストフォワードにも選出された伊藤樹が在籍しており躍進が期待されたが、3-4で敗れた。
第2試合は、北海道ベアーズ対東京アイスバーンズという、どちらも歴史あるクラブ同士の戦い。東京アイスバーンズが2-1で北海道ベアーズを下した。
続く第3試合は、大会7連覇を達成している長野サンダーバーズと、第1試合の勝者・東海アイスアークスとの対戦。5-4で長野サンダーバーズが勝利した。
大会2日目の第1試合は、北海道ベアーズ対ロスパーダ関西。伊藤がゲーム序盤の41秒で先制し、第1ピリオドでは2-1とリードするが、第2ピリオドで北海道ベアーズが覚醒した。2010年バンクーバーパラリンピックの銀メダルを経験しているベテランの須藤悟、三澤英司、さらにこの2人とともに日本代表としても活躍する森崎天夢の3人が得点を重ね、5-3で試合をひっくり返す。最終第3ピリオドで三澤、森崎が追加点を挙げ、追いすがるロスパーダ関西を7−4で制した。

最終戦は、長野サンダーバーズと東京アイスバーンズによる決勝戦。互いに守備が固く、なかなかゴールが決まらない。均衡を先に破ったのは、長野だった。日本代表として平昌大会出場メンバーである熊谷昌治、吉川守のダブルアシストで若手日本代表の新津和義が先制した。第2ピリオドに入ると、長野サンダーバーズは立て続けにシュートを打ちまくる。熊谷、新津、さらに永井涼太がゴールを決め、5-1と突き放す。第3ピリオドで東京アイスバーンズも巻き返すが届かず、最終的に6-3で長野サンダーバーズが勝利。大会8連覇を達成した。


パラリンピックで活躍が期待される選手が躍動
「すごく楽しかった!」
開口一番、そう語るのは、若き日本代表のエース、伊藤。
「今大会には、小学生選手も出場しています。僕もその子たちと同じように小学生の頃からホッケーを始めました。当時はスレッジで転んでも一人では起き上がれなかった。僕の成長した姿を見て、みんなも頑張ってほしいと思います」
アメリカでの武者修行を経て、来年3月には、初のパラリンピックに挑む。
「最終予選でのノルウェー戦と同じクオリティを、全試合通じて出し続けたいです」

一方、1998年長野大会で初出場した三澤、吉川、2002年ソルトレイクシティ大会から活躍する須藤ら、ベテランも健在。親子ほど歳の離れた大ベテランと伊藤、森崎らは、2023年以降就任した宮崎遼コーチ、元カナダ代表選手であるブラッドリー・ボーデン(ハイパフォーマンスディレクター)のもと、スレッジを使用するパラアイスホッケーの基礎と戦略を身につけてきた。その成果が炸裂した今大会。来年のミラノ・コルティナパラリンピックにも期待したい。
今大会の成績は以下の通り。
1位 長野サンダーバーズ
2位 東京アイスバーンズ
3位 東海アイスアークス
4位 北海道ベアーズ
5位 ロスパーダ関西
取材・文/宮崎恵理 写真/吉村もと