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  アンプティサッカーの国際大会、念願の日本初開催!

アンプティサッカーの国際大会、念願の日本初開催!

1月16日〜18日、東京・駒沢オリンピック公園で「Amputee Football International Challenge Cup -Tokyo 2026」が開催された。日本初開催となる記念すべき国際大会に出場したのは、日本代表のほか、スペイン、ポーランド、インドネシアの4カ国。快晴の空の下、熱いリーグ戦が行われた。

開幕戦となったヨーロッパ2位ポーランドと3位スペインの対決。世界の激しいアンプティサッカーが日本で観られた

アンプティサッカーは、切断、四肢機能不全の障がいがある選手が出場するサッカーだ。フィールドプレーヤーは下肢切断など下肢障害者が、ゴールキーパーは上肢障害者が担う。フィールドプレーヤーは「クラッチ」と呼ばれる前腕と手で体を支える補助具を使用してプレーし、故意にクラッチでボールを扱うと「ハンド」の反則となる。ピッチサイズは40m x 60m、7人制で、前後半25分ハーフ(計50分)を戦う。

日本にアンプティサッカーが紹介されたのは、元ブラジル代表で日系3世のエンヒッキ・松茂良・ジアスが来日したことに端を発する。2009年に日本アンプティサッカー協会が設立され、本格的に始動した。

アンプティサッカーを日本に紹介したエンヒッキ・松茂良・ジアスは選手として出場

そのエンヒッキが、今大会にも日本代表として出場している。協会設立から17年、念願の日本初開催となる国際大会なのだ。

「日本でアンプティサッカーを始めた時から、ずっと一つの目標でした」

初戦となるインドネシア戦を終えた直後、こう語った。

2012年ワールドカップ日本開催を誘致予定だったが、前年に起こった東日本大震災のため断念した経緯がある。「日本で国際大会を!」は、現在アンプティサッカーに携わるすべてのプレーヤー、関係者の悲願が結実したものだ。

今大会主将を務めた高橋良和も、「感極まり、ピッチに立った瞬間、涙が込み上げてきた」と、声を震わせた。

今大会日本代表チームのキャプテンを務めた高橋良和

初戦で対戦したのはインドネシア。昨年11月にワールドカップ予選を兼ねたアジア選手権の開催国で、日本代表はこの大会で3位、インドネシアは5位。格下ではあるが、成長中のチームである。

初戦のインドネシア戦で君が代を斉唱する先発メンバー
ゲーム前に円陣を組む日本代表チーム

前半、日本は何度もシュートチャンスを作りながらゴールネットを揺らすことができず0−0で折り返す。後半に入り、試合時間32分の場面で後藤大輝が先制点を決めた。ゴール前、左サイドの秋葉海人のパスを近藤碧が繋ぎ、後藤が左足を振り抜いた。

先制点を決めた後藤大輝

「記念すべき国際大会で初ゴールを決められた。秋葉、近藤が繋いでくれたいいパス、絶対に決めないと、と思っていたので、決められてよかった」(後藤)

先制点を決めた後藤に駆け寄る日本代表チーム

日本は、その後もゲームを支配し石井賢が2点追加し、3−0で勝利を飾った。2得点を挙げた石井は、このゲームの「Man of the match」を獲得している。

初戦で2得点を決め、MOMに選ばれた石井賢

「インドネシアと対戦したのは、去年ではなくその前のアジア選手権。すごく成長を感じた手強い相手でしたが、日本チームの良さを披露できたと思う。ただ、前半を含めて何度もシュートチャンスを外すことがあった。もっと、精度を高めていきたい」(石井)

先制した後藤は24歳、石井は20歳、アシストした秋葉、近藤は22歳。20代前半の選手が大暴れしている。

アシストを決めた秋葉海人
期待の若手のひとり近藤碧

「若い選手たちの運動量、スピードは日本の武器。頼もしいです」と、重鎮エンヒッキも頬を緩める。

日本は、大会2日にスペインと対戦し1−3、最終日はポーランドと対戦し0−3で、3位となった。

スペイン戦でナイスセーブを連発したゴールキーパーの上野浩太郎

スペインとポーランドは、昨年行われたヨーロッパ選手権でそれぞれ2位、3位。今年7月31日〜8月9日には、コスタリカでワールドカップが開催される。ヨーロッパは、前回ワールドカップ覇者で、ヨーロッパチャンピオンでもあるトルコを含め、アンプティサッカーの激戦区だ。今大会は、今年のワールドカップを見据えた重要な前哨戦でもあった。

大会3日間で駒沢陸上競技場に足を運んだ観客は2600人を超えた。エンヒッキが語る。

「今大会は、でっかいマイルストーンになったと思う。でも、これがゴールではない。ここからアンプティサッカーの魅力をもっと伝えていきたいと思っています」

すべてのゲームは動画配信されている。会場に来られなかった人も、「アンプティサッカーってどんな競技?」と興味を持った人も、クラッチを使うサムライブルーの戦いをぜひ、見てほしい。

スペイン戦後、観客に挨拶する日本代表チーム

今大会の成績は以下の通り。

1位 ポーランド(3勝)

2位 スペイン(2勝1敗)

3位 日本(1勝2敗)

4位 インドネシア(3敗)

取材・文/宮崎恵理 写真/吉村もと



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