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  シュートで魅せる。原田翔平【車いすバスケ】(その1)

シュートで魅せる。原田翔平【車いすバスケ】(その1)

5人が活躍できるのがバスケ。その一人でありたい。

目標は日本選手権での優勝。王者の背中は見えている

「車いすを使っているけれど、僕はバスケットボールがしたいんです」 そう語るのは、埼玉ライオンズ所属の原田翔平。車いすバスケには、選手の障がいの状態に応じて1・0~4・5までそれぞれもち点がある。コートでプレーする5人の合計が14点以内というルールがあり、もち点が少ない方が障がいは重い。日本のエース、香西宏昭は3・5。鍛え上げられた筋肉の鎧を身につけ、衝突を瞬時に筋力でかわしたり、転倒しても自力で起き上がることができる。 原田のもち点は1・0。最も障がいが重いローポインターである。腹筋や背筋を使ったり自力で起き上がることができない。しかし、原田がコートに入ると、アウトサイドシュートをガンガン決める。華のあるプレーに魅了される。 埼玉ライオンズのシューティングガード。チームは15年に日本選手権の決勝戦に進出、日本のトップ4に位置する。原田自身は、パラリンピック出場経験はないが、14年から強化指定選手に選出されており、今年6月にイギリス遠征にも出かけた。 小学生でミニバスケットボールを始めた原田は、東京体育館で開催された高校生の全国大会を見に行って圧倒された。 「学校の体育館しか知らない。こんな大きなアリーナで行なわれる大会に出場したいって感動しました」 地元の中学でバスケ部に所属していたが、高校進学を前に全国大会に毎年出場している福島工業高校のバスケ部を見学しに行った。 「強豪校でしたけど、さすがに県外から進学したいという生徒はいなかったので、すごくびっくりされました。しかも、僕自身は無名の中学のバスケ部所属。特別長身というわけでもない。それでも、高校のバスケ部はすごく温かく迎えてくれて、下宿を探す手伝いもしてくれました」 意気揚々と進学し大好きなバスケにどっぷり浸かっていたのに、2年に進級する直前、脊髄腫瘍になる。手術を受け、その後自宅のある埼玉県に戻ってリハビリを続けるなかで、車いすバスケットボールに出会う。     保存保存


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