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  野島弘さん「SEA TO SUMMIT」に挑戦!

野島弘さん「SEA TO SUMMIT」に挑戦!

必要な参加資格は「楽しむこと」のみ! 一人で参加しても、チームで集まって参加するもよし。すべての参加者が助け合いながらゴールへと進んでいくのがイベント最大の特徴だ。2日間の開催となっており、1日目に開会式と環境シンポジウムを行い、2日目の早朝にレース開始だ。 健常者の部門とは異なり、パラチャレンジ部門は3種目のうち希望ステージのみでの参加が可能。野島さんは「カヤック」と、ハンドバイクでの「バイク」ステージへの挑戦を決意した。 2日目は、朝6時にはスタート地点に到着し、カヤックの準備をはじめる。操作性や安全面の確保を考えて、座席の高さや背中の反り具合を入念にチェックする。その後、開会式で野島さんの選手宣誓が行われ、いよいよレーススタートだ。   早朝のスタートは肌寒く、風の勢いも強かった。しかし、さいわいにも波は穏やか。河口のボトルネックを抜けて、合計8キロのカヤックコースを参加者が漕ぎはじめる。パラチャレンジ枠として、一般参加者よりも早めのスタートを切ることになった野島さんは、慣れた手つきでスイスイ進む。1時間2分の好タイムでゴールインを果たした。   カヤックを終えると慣れた手つきでハンドバイクへと乗り換え、山々の雄大な景色に囲まれながら風を切る。しかし、中間地点あたりからはじまる厳しい登り坂に、野島さんは悪戦苦闘。漕いで、水分補給してを繰り返すうちに、時間はどんどん過ぎていった。 ハンドバイクは坂道を駆け上がる設計ではないため、傾斜では前輪が浮いてしまう問題がある。ハンドバイクを取り外し、車いすの状態で押したりもしたが、ゴールは遠い。気付けば7時間も坂道と格闘していた。   それでも野島さんはリタイアすることなく、ゴール地点の博労座へと辿り着いた。すると「おかえりなさい!」と、大会運営スタッフや参加者たちが拍手で迎え入れてくれたのだ。 泣きそうになりながらも、近くの方々と握手を交わしながらのフィニッシュ。7時間19分。ハンドバイクでの走破として、新たな記録と多くの感動を生み出し、パラチャレンジ部門の可能性を広げる結果を残した。 「時間はかかったけど、完走させてもらえたことに感謝したい。熱い応援をしてくれたみなさまのためにも、今度は山の制覇もしたい」と野島さんは話す。自分を強くしてくれる「SEATO SUMMIT」に、障がいのある人もドンドン参加してほしい。   取材・文/編集部 写真/小林司・逢坂聡


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