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  デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!基礎編

デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!基礎編

聴覚障がい者のフットサル、デフフットサルのワールドカップが11月9日から16日までスイスで開催中だ。2月に開催されたアジア予選では、女子は優勝、男子は準優勝でワールドカップ出場を決定。大会での活躍が期待される日本代表をクローズアップしていく。 今回は基礎編としてそもそもデフフットサルとは何かを紹介する。 デフフットサルのデフ(DEAF)とは、「耳の聞こえない人たち」という意味。つまりデフフットサルは、聴覚障がい者が行うフットサルのことだ。 デフフットサルの基本的なルールは、基本的には健常者のフットサルのルールと同じ。ただ、選手が目で見えるように、主審は笛に加えてフラッグを使用する。 選手は、聴力レベルの規定があり、プレー中は補聴器を外すことが義務づけられている。選手は耳が聞こえないので、情報を得るには目で見るしかない。チームスポーツは、健常者なら声を掛け合ってコミュニケーションをとるのが当たり前だが、聴覚障がい者はそれができないので、組織的な戦術を行ううえで非常にむずかしい部分がある。 選手同士はアイコンタクトや身振り手振りでコミュニケーションを取るほかはなく、プレー中の意思の疎通のむずかしさを補うために、ピッチにいる4人が同じイメージをもてるように、トレーニングを重ねていくことが大切になってくる。 ちなみに、聴覚障がい者のスポーツは、ほかにも陸上、バスケットボール、サッカー、柔道、水泳、卓球、バレーボールなど広く行われており、聴覚障がい者のオリンピック「デフリンピック」も1924年から開催されている。 現在、一般的に聴覚障がい者のデフスポーツの知名度が低いのは、パラリンピックに聴覚障がい者の競技種目がないことも大きく関係している。パラリンピック競技ではないデフフットサルだが、今回のワールドカップは男女ともに悲願の優勝に手が届くところにいる。まさに今,世界の頂点を目指し戦っている選手たちの活躍から目を離すな! 取材・文/辻野聡 写真/中里慎一郎


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