「つなげる」「育てる」をコンセプトに、車いすバスケ「MATSUNAGA CUP 2024」開催!
9月21日~22日、岐阜県大垣市で「MATSUNAGA CUP 2024」が開催された。この大会は、岐阜県障害者スポーツ協会と車いすメーカーの株式会社松永製作所の共催で、2022年から行われている。第3回目となる今年は、全国から35名のジュニアが参加。2日間にわたる濃密な時間を、思い切り楽しんだ。
大会初日は、車いすバスケ体験会や車いすでのタイムトライアルなどのアクティビティ、大会に協賛する味の素株式会社による栄養講座が行われた後、パリパラリンピックの車いすバスケ競技に出場した日本代表選手を含む女子トップ選手たちに、車いすバスケの基礎を教えてもらうという、とても贅沢なプログラム。トップ選手のアドバイスがまるで魔法のくすりのように効いて、あっという間にうまくなる選手も見られた。
2日目はお待ちかねのフレンドリーマッチ。選手は4つのチームに分かれ、午前中は総当たりの予選リーグが行われた。各チームにはトップ選手とコーチが入ってサポート。ゲーム前にシュート、パス、チェアワークなどをチームごとに練習した後、4分×4クォーターのゲームに臨んだ。
選手たちはチーム力が同じ程度になるよう、各チームに振り分けられたのだが、びっくりしたのは、初めてチームを組んだとは思えないほどチームワークが良いことだ。ゲームの進め方をみんなが理解して動いている、と言ってもいいだろう。ボールを奪い仲間にパスをしてシュートチャンスを作る選手、そのパスからゴールを狙う選手と、各自の役割がうまく調和し、ずっと一緒に練習してきたんじゃないかと思わせるようなプレーが随所に見られた。
午後はトップ選手によるエキシビションマッチに続き、予選リーグの結果を受け3位決定戦と決勝戦が行われた。決勝を戦ったチームレッドとグリーンは、予選では6対6の引き分けと五分の戦いだったが、決勝戦でも実力伯仲の大接戦が繰り広げられ、試合は延長までもつれこんだ。結果、チームレッドの勝利となったが、観客を魅了する白熱したゲームに、大きな歓声と拍手がおくられて会場は一体となった。
「つなげる」と「育てる」をコンセプトに、障がいをもった子どもたちにスポーツを始める機会だけでなく、スポーツを楽しむ機会を提供したいという想いから始まった「MATSUNAGA CUP」。スポーツを始めた子どもたちとトップ選手、コーチが同じチームとなり、同じコートでスポーツをすることを通じて目標を持ち、スポーツを“続けたい”と思える大会を目指しているという。
そのコンセプト通り、ジュニアたちは思いっきり体を動かして車いすバスケを楽しみ、選手・コーチが楽しさを伝え、引き出し、運営や演出・協賛社が大会を盛り上げ、支え、会場にいる者全員がハッピーな気持ちになれる大会だった。
何よりも、参加したジュニアたちの生き生きした動きとキラキラした目は、スポーツの楽しさを存分に表していた。こうした”一生ものの体験”が、もっと増えていくことを期待したい。
文・写真/編集部