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パラスポーツマガジンの最新ニュース

神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会 日本代表選手決定

神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会 日本代表選手決定

2024年5月17日(金)から25日(土)に兵庫県神戸市・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催される「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の日本代表選手が決定し、日本パラ陸上競技連盟より発表されました。 今大会には世界約100ヵ国・地域から約1300人が参加する見込み。日本人選手にとってはパリパラリンピックの出場権をかけた大会でもあります。 代表に選ばれたのは男女66名。男子では、東京パラリンピックで車いすクラス(T52)2冠に輝いた佐藤友祈が100mと400mにエントリー。昨年の世界パラ陸上選手権で視覚障害クラス(T13)400mで金、走幅跳で銀メダルを獲得した福永凌太(冒頭写真)が100m、400m、走幅跳の3種目に出場を予定しています。このほか5000m(T11)で東京パラリンピックで銀メダルを獲得し世界記録を持つ唐澤剣也が1500m、5000mを走る予定です。 東京パラリンピック2冠の佐藤友祈 5000mの世界記録を持つ唐澤剣也 女子では3大会連続でパラリンピックに出場している髙桑早生(T64:走り幅跳び)をはじめ、昨年の世界パラ陸上でメダルを獲得した中西麻耶(T64:走り幅跳び)、齋藤由希子(F46:砲丸投げ)、澤田優蘭(T12:走り幅跳び)らが代表入りを果たしました。 走り幅跳びでメダルが期待される中西麻耶 代表選手は下記リンク先よりご覧ください。 ◆代表選手一覧(男子) ◆代表選手一覧(女子) 写真/吉村もと
「ネクストパラアスリートスカラーシップ~ NPAS ~ supported by 三菱商事DREAM AS ONE.」2024年度奨学金授与式

「ネクストパラアスリートスカラーシップ~ NPAS ~ supported by 三菱商事DREAM AS ONE.」2024年度奨学金授与式

次世代のパラアスリートを日本パラリンピアンズ協会(会長:大日方邦子)が主体的に関わり育成していくプロジェクト「ネクストパラアスリートスカラーシップ」の2024年度奨学生が決まり、3月20日、奨学金授与式が行われた。今年度の奨学生は下記の3名。 川渕大耀(かわぶち・たいよう):水泳/2008年生まれ、神奈川県横浜市立新田中学校3年 福間釉絆(ふくま・ゆうき):陸上/2006年生まれ、島根県立松江養護学校乃木校舎2年 松岡星空(まつおか・せいら):車いすテニス/2010年日生まれ、愛知県あま市立甚目寺中学校2年 奨学生は原則3年の間、奨学金30万円(年)のほか、日本パラリンピアンズ協会メンター制度で公認されたNPAS・メンターによる相談・支援、英語研修(海外アスリート交流)、思考力研修(読書+ 発表)、自己成長プランの作成サポート(デュアルキャリアを意識した中長期計画、半年に1 回はメンターとの振り返り)、プレゼンテーション研修(講演会発表)などのサポートを受ける。
ブラインドサッカー日本一のチームを決める大会を観戦しよう!(TEAM BEYOND 観戦会)

ブラインドサッカー日本一のチームを決める大会を観戦しよう!(TEAM BEYOND 観戦会)

TEAM BEYONDは今年5回目となる観戦会を行う。今回はブラインドサッカー日本一を決める大会「第21回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権・FINALラウンド」を観戦。パリ2024パラリンピックで活躍が期待される日本のトップ選手も出場予定のFINALラウンドへ無料招待。決勝戦をスタンド席で観戦することができる。 希望者は下記よりTEAM BEYOND LINE公式アカウントに友だち登録の上、案内にしたがって申し込みを。 LINE公式アカウント「TEAM BEYOND(チームビヨンド)」を開設!! | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト (para-sports.tokyo) 期日 2024年3月9日(土)14時~ 会場 町田市立総合体育館 募集人数 50名(1回の応募につき5名まで申込可能) 応募締切 2月27日(火)12:00まで  当選発表 3月1日(金)12:00頃 
女子車いすバスケ大阪大会。日本は惜しくも準優勝。パリの切符をかけ4月の世界最終予選へ!

女子車いすバスケ大阪大会。日本は惜しくも準優勝。パリの切符をかけ4月の世界最終予選へ!

2月16日~18日に行われた「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」。この大会で優勝すればパリパラリンピックの出場権が獲得できる。 出場国は日本、イギリス、タイ、オーストラリアの4カ国。総当たりの予選を2勝1敗で終えた日本は決勝に進出した。相手はイギリス。ヨーロッパ予選ですでにパリ出場権を獲得している強豪だ。 予選で唯一黒星を喫したイギリスに対し、日本はチーム一丸となって挑んだ。しかし実力差は明らかで、46対71で敗戦。この結果、日本はパリパラリンピック出場の切符をかけて、4月の世界最終予選に挑むことになった。最終予選の会場は再び大阪。みんなの応援の力で、日本をパリ行きの飛行機に乗せようじゃないか! ◆最終順位 1位 イギリス 2位 日本 3位 タイ 4位 オーストラリア 優勝したイギリスチーム ◆MVP ジョイ・ヘイゼルデン(英) ◆オールスターファイブ ステファニー・ヴァンレーウェン(豪) ポーンティップ・カチュンラム(タイ) 萩野真世(日本) エイミィ・コンロイ(英) 北田千尋(日本) オールスターファイブに選ばれた5人の選手たち 萩野真世選手 北田千尋選手 エイミィ・コンロイ選手(英) 写真/吉村もと
ハンドサッカーに大興奮!「IncluFES(インクルフェス) 2024」

ハンドサッカーに大興奮!「IncluFES(インクルフェス) 2024」

東京2020パラリンピック大会を契機に、パラスポーツは一定の認知と理解を得たと言える。しかし、重度障がい者に目を向けてみると、たとえば特別支援学校に在籍する重度障がいの子どもたちのなかで、パラスポーツに取り組める生徒は1割に満たないのが実情である。 スポーツの機会に恵まれないこうした重度障がいの子どもたちに、スポーツを通じたふれあいや自己実現の機会を提供しようと始まったのが「IncluFES(インクルフェス)」だ。 みんなのためのフェスティバル「IncluFES 2024」 「IncluFES(インクルフェス)」は、肢体不自由特別支援学校に在籍する、重度の障がいのある子どもたちとその関係者にフォーカスを当てたイベントである。「気づき、深め、楽しむ」をテーマに、パラスポーツにとどまらず、さらにインクルーシブなイベントを発展させるために生まれた。誰もが楽しむことができるさまざまなコンテンツが用意された“みんなのためのフェスティバル”なのだ。 ハンドサッカーのエキシビションマッチには13チームが参加 2024年1月20日、「IncluFES 2024」が開催された東京都多摩市立総合体育館は、朝早くから熱気に包まれていた。この日のメインイベントは、ハンドサッカーのエキシビションマッチ。都立肢体不自由特別支援学校チームや卒業生チームなど13チームが参加し、各チーム2試合ずつの対戦が行われた。 ハンドサッカーは、東京都の肢体障害特別支援学校で考案され、競技の柔軟性から全国の特別支援学校に普及しつつあるパラスポーツだ。既存の競技では十分に対応しきれないさまざまな障がいを持つ子どもたちが活躍の場を広げ、個々の能力を引き出し、心身を健全に育成するために考案された。勝敗以上に各個人のパフォーマンスを讃える競技スタンスから、究極のアダプテッドスポーツとも言われる。 1チームは、フィールドプレーヤー4人、スペシャルシューター1人、ポイントゲッター1人、ゴールキーパー1人の計7人で構成される。選手の交代は何度でも自由だ。試合前に両チームが挨拶のため整列し、スターティングメンバーの7人がコートに散らばる。そしてホイッスルが吹かれ試合開始。立位または車いすで動くことができるフィールドプレーヤーがボール運び、スペシャルシューターあるいはポイントゲッター(スペシャルシューターより重い障がいを持つ選手)にパス。相手チームはそれを防御する。そしてパスを受けると1得点。さらにパスを受けたスペシャルシューターまたはポイントゲッターが課題をクリアするともう1点が加算される。フィールドプレーヤーが直接ゴールを決めても1点が入る。得点をあげると大歓声があがり、会場は一気にヒートアップ! 試合前は整列して挨拶 1チーム4人のフィールドプレーヤーがコートを動き回ってボールを運ぶ スペシャルシューターにボールを渡すことができると得点が入る 自らの障がいの程度に応じた課題に挑むスペシャルシューター 不思議なことに、試合を観戦しながらルールや選手の動き方がわかるにつれ、どんどんゲームに引き込まれていく。仲間にボールを渡そうとコートを動き回るフィールドプレーヤーの攻防。自らの障がいの程度に応じた課題に挑むスペシャルシューターやポイントゲッターのがんばり。ポイントを獲得したときの達成感と興奮……。観ているうちに我を忘れ、自然に声援と拍手を送り、会場はハイテンションに。ハンドサッカー、すごい! 会場には横断幕が掲げられ熱のこもった応援合戦が繰り広げられた さまざまなインクルーシブ体験 先述したとおり、このフェスはハンドサッカーを楽しむ以外にも、さまざまなインクルーシブ体験ができることが特徴だ。会場にはサイバーボッチャ、ゲーム対戦、ビジョングラムなどのアトラクションが設置され、選手たちも試合の合間に楽しんだ。さらに、セレモニーにはパラ陸上で活躍する有熊宏徳選手(ジャパンパラ陸上2023で100mと走り幅跳びのT38クラス優勝)がゲスト出演。脳性麻痺(左半身片麻痺)を克服して陸上競技にかける自らの体験を語るとともに、参加者に応援メッセージをとどけた。 会場ではさまざまなインクルーシブ体験会が行われた。写真上からサイバーボッチャ、ゲーム対戦、視覚障がいを可視化するビジョングラム 有熊宏徳選手(中央)の話に聞き入る参加者たち まさに、みんなのためのフェスティバル。スポーツ&インクルーシブ体験で選手はもちろん、来場者みんなが一体となって楽しんだ1日となった。 取材・文・写真/編集部
タンデム自転車で湘南のサイクリングルートを走る

タンデム自転車で湘南のサイクリングルートを走る

自然豊かな日本をアクティビティで旅する「ジャパンエコトラック」(注1)。この取り組みに2023年12月に新規登録した神奈川県のサイクリングルート(注2)で、メディアツアーが開催された。今回の試走コースは、太平洋岸自転車道神奈川セクションと相模原~茅ケ崎サイクリングルートの一部。大磯港から柳島スポーツ公園、寒川神社を経由し、海老名運動公園までを走るコースだ。 スタート地点の大磯港 このツアーに視覚障がいをもつ西郷光太郎さんと黒澤美花さんが参加した。二人が乗ったのはタンデム自転車。観光地などで見かけることがある二人乗り自転車だ。前に乗るパイロットは廣田和彦さん、朝美さんご夫妻。2人はサイクルボランティアジャパンのメンバーで、自身も長年タンデム自転車を愛用し、以前は2人で、お子さんが産まれてからはファミリーでツーリングを楽しんでいるという。 ツアーにタンデム自転車で参加した左から黒澤さん、廣田朝美さん、和彦さん、西郷さん タンデム自転車での公道の走行は各都道府県の条例によって規制されており、比較的最近まで公道を走れないエリアがあった。しかし徐々に緩和され、2023年7月にはその時点で唯一制限していた東京都が解禁。現在は日本全国の公道で走行が可能となった。 タンデム自転車の良いところは、2人に体力差などがあってもカバーでき、一緒に走れることだ。廣田さんご夫妻は、以前はそれぞれの自転車でサイクリングを楽しんでいたが、ペースが合わずに朝美さんが不機嫌になってしまうこともあったそう。「じゃあタンデムをやろうと。僕が力を補えば一緒に移動できますから」(和彦さん)とタンデム自転車を始めたと言う。 「タンデムを始めると、パイロットとして視覚障がいの方と一緒に乗ることが増えてきました。それで思ったのが『障がいの方でも後ろに乗ってしまえば、障がいがなくなる!』ということです。パートナーとして一緒にサイクリングするお友達になるんです。だから自分が支えているとか介助しているとかという気持ちはあまりありません」(和彦さん) 2人のお子さんを3歳くらいからサイクリングに連れ出しているという廣田さん。子どもたちと一緒に旅やイベントに参加できるのは、タンデムならではの良さだと言う。廣田さんのタンデム仲間には視覚障がいやダウン症の子どもを持つ親もいるそうだが、タンデムなら自転車の後ろに乗せて移動したり旅に出かけることができ、子どもの運動不足解消にも役立っているそうだ。 廣田さんの誘いで2年ほど前からタンデム自転車を始めたという西郷さん。「私は全盲なので、一人で道を歩くのも難しい。以前はマラソンをしていましたが、長続きしませんでした。でも、サイクリングだと長い距離をゆっくり走れるので続けることができています。結構な運動になるので体力がついて、肥満気味だった体も健康状態が良くなりました。そして、心が豊かになり、世界が広がったと思います。今の夢は東京の日本橋から京都の三条大橋までタンデム自転車で走ることです」 スポーツが大好きだった黒澤さんが視力を失ったのは5年ほど前。「目が悪くなり始めてからどんなブラインドスポーツだったらできるのか、いろいろ試してみました。そのなかの一つがサイクリング。見えないとスピードを感じたり、風を切ったりするのが難しくなるのですが、タンデムに乗せてもらうことで、私は風を取り戻せました。これだよな!と思えるものがすごくあったんです。風を感じる中から自然を感じたり、パイロットの方との会話から見いだせた新しいものを得られたりと、一石何鳥もの良さがありますね」。黒澤さんにとって、晴天のこの日、湘南の潮風を受けながら気持ちの良いツーリングだったに違いない。 廣田さん夫婦の愛車。ツーリング使用になっている 今回のツアーでは、KHSジャパンの協力で、タンデム自転車の試乗体験会も実施された。初めて乗る参加者も多く、初めは戸惑いも見られたが、自転車にまたいで漕ぎ出すと不安は即座に解消。あっという間にタンデム自転車の虜になり、皆気持ち良さそうに走っていた。 タンデム自転車の試乗体験会も行われた 障がい者のスポーツツールという点でも注目されるタンデム自転車。現在、日本パラサイクリング連盟を中心に普及活動が行われているものの、レンタルポートやパイロットのなり手が少ないなどの問題もある。障がい者にとってタンデム自転車はさまざまな可能性を秘めているだけに、環境がもっと良くなり、多くの人が楽しめるようになることを期待したい。 取材・文/編集部 協力/株式会社モンベル 注1 ジャパンエコトラック/「JAPAN ECO TRACK」とは、カヌー・自転車・トレッキングなどの人力による移動手段で、日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しむ新しい旅のスタイルです。ジャパンエコトラック推進協議会は、旅行者が、このような旅を365日いつでも快適に楽しめる環境づくりを地域と連携して推進しています。(※ジャパンエコトラックHPより転載) 注2 神奈川県の取り組み/神奈川県は2023年12月ジャパンエコトラックの新規エリアに登録。全18(サイクルリングルート14)のエリア・ルート情報を公開した。箱根や丹沢の山々、相模湾の海の幸と湘南や三浦半島の絶景、古都・鎌倉や小田原城の歴史遺産など、多彩な見どころがある。 ※「ジャパンエコトラック神奈川」の詳細は下記サイトをご覧ください。 https://www.japanecotrack.net/area/1113
「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先決定

「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先決定

サントリーホールディングス(株)は「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先を決定した。計57の都道府県・政令指定都市より、アスリート81名と、障がい者スポーツ協会または競技団体25団体を採択し、総額2850万円を支給する。 この奨励金事業は、チャレンジド・スポーツの普及・振興や世界レベルの選手の育成・強化につながることを願い、障がい者スポーツ協会などが推薦するアスリートと、各協会または各協会が指定する競技団体などの活動を支援するもの。2022年9月にスタートし、第1期では計55の都道府県・政令指定都市で総額2750万円を支給した。 奨励金はアスリートの活動費(義肢装具などの器具購入費、遠征費用など)や、各団体による競技振興のための費用(競技会・研修会の実施費用・参加費用など)に活用する。同社は「本奨励金によって、アスリートのチャレンジを支援し、日本全国でのチャレンジド・スポーツのさらなる普及・発展を目指します」とコメントしている。
小学生が“見えない世界”を体験するプログラム「目を大切に!ブラインドチャレンジ」

小学生が“見えない世界”を体験するプログラム「目を大切に!ブラインドチャレンジ」

12月6日(水)、参天製薬株式会社(以下、Santen)は小学生の放課後の居場所づくりに取り組む特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクールとの協働プロジェクト「目を大切に! ブラインドチャレンジ」を東京農業大学稲花アフタースクールで開催した。その模様をレポートしよう。 写真・レポート資料提供/参天製薬株式会社 ブラインドサッカー日本代表選手が講師として子どもたちと対話 講師を務めた鳥居健人さん。視覚障がいのあるSanten の従業員で、ブラインドサッカー日本代表選手でもある。視覚障がい当事者と直接対話できることはこのプログラムの大きな特徴 「目を大切に!ブラインドチャレンジ」は、視覚に障がいのあるSantenの従業員が講師として小学校や学童保育を訪問し、子どもたちに目の大切さや視覚障がいについて学んでもらう対話型&体験型のプログラム。Santenが目指す視覚障がいの有無に関わらず交じり合い、いきいきと共生する社会の実現に向けて、放課後NPOアフタースクールと協働開発した。今回のイベントには小学生17名が参加、視覚障がいのあるSanten社員で、ブラインドサッカー日本代表選手でもある鳥居健人さんが講師を務めた。 クイズや目隠しパズルに挑戦! 目隠しパズルをする友達を声でアシスト。見えないことの大変さだけでなく、声かけの大切さや難しさを知ることも大きな学びだ まずは、アイマスクで目隠しした子どもたちにステーキを焼く音を聞いてもらい、何の音かをあてるクイズ。「焼き肉!」などほぼ正解の子どもがいた一方で、「雨の音?」といった声も上がり、音だけで言い当てるのはなかなか難しい様子。クイズを通して、人は目、耳、鼻、口、手の5つの感覚のうち、目から最も多くの情報を得ていることを学んだところで、目隠しをして数字の形の型はめパズルにトライ。一人でやってみた後にはペアを組み、目隠しでパズルをする友達を「声だけでアシストする」ことにも挑戦し、サポートする側の気持ちや難しさ、出来る工夫についても体感して考えた。 <鳥居先生からのアドバイス>一番のコツは、始める前に数字を順番に並べておくこと。「整理整頓」は見える人にとっても見えない人にとっても大事です。「右、左、時計の何時の方向」など具体的な声かけも助かります。 白杖を持って点字ブロックを歩いてみた 足元やディスプレイに表示された信号をよく見ながら慎重に誘導。見えないことの怖さよりも、誘導してもらうことの大切さや安心を感じた子どもが多かった 次は、二人一組になって、一人が誘導、もう一人が目隠しをして白杖を持ち点字ブロックの上を歩く体験。ディスプレイに映し出された信号を確認し、誘導役の子どもの声を頼りに慎重に歩く姿が見られた。 <鳥居先生からのアドバイス>点字ブロックは「進んでOK」の誘導ブロックと「止まれ」の意味の警告ブロックの2種類があります。ぼくたちは白杖と足の裏の感覚で、ブロックを区別しています。 困りごとを知り、何ができるか考えてみる 目が不自由な人の困りごとについて何ができるかをグループで話し合う子どもたち。駅の音声案内など自分の知っていることを一生懸命話す様子が見られた 「目隠しパズル」と「点字ブロック体験」の2つのプログラムの後は、「看板がわからない」「駅などのトイレに行きたいとき、男女どちらかわからない」「自動販売機で好きなものが買えない」といった、目が不自由な人の困りごとについて、グループで話し合った。視覚に障がいのある人の立場になって考え、「自動販売機に点字をつけるといい」「近くの駅は『左は女子トイレです』という声が聞こえるよ」といった意見が挙がっていた。 参加した小学生たちの感想 白杖の使い方や目が不自由な人の気持ちがよくわかった。もし目が不自由な人に出会ったら信号などを教えてあげたい(3年生) 目が見えない人のことをあまり考えたことがなかったけど、これからは少しずつ考えて生活したい(3年生) 点字ブロックを歩くのが楽しかった。友達が教えてくれたので、見えなくても怖くなかった(2年生) パズルが難しくて、目が見えないのは大変だなと思った(2年生) 目が見えない人がいたら、手伝おうと思う(1年生) Santen企画担当者よりメッセージ 本プログラムは、Santenが目指す「人々が視覚障がいの有無に関わらず交じり合い、いきいきと共生する社会の実現」のため、子どもたちに多様性やインクルージョンについて考えてもらうことを大きな狙いとして、2020年から継続的に取り組んでいるものです。自然体で先生と触れ合う子どもたちの姿から、共生社会のありかたについて私たち大人が学ぶことも多いです。大人は「サポートしなければ」と思いがちですが、子どもたちは視覚障がいを偏見なく受け入れ、素直に知ろうとし、先生と同じ立場で物事を考えようとします。このようなプログラムを通して、子どもたちが日常生活の中で困っている人を自然にサポートできるようになることは、共生社会の土壌になると考えています。(参天製薬株式会社 基本理念・CSV推進部 長谷川成男さん)
第3回KEIAI杯車いすバスケットボール大会 開催!

第3回KEIAI杯車いすバスケットボール大会 開催!

ケイアイスター不動産株式会社が主催する「第3回KEIAI杯車いすバスケットボール大会」が11月25日、本庄総合公園体育館(カミケンシルクドーム)で開催された。 「NO EXCUSE」「埼玉ライオンズ」「千葉ホークス」「神奈川VANGUARDS」「COOLS」の5チームが参加 3回目の開催となる今回は、「NO EXCUSE」「埼玉ライオンズ」「千葉ホークス」「神奈川VANGUARDS」「COOLS」の5チームが参加。会場には多くのファン、サポーターが訪れ、東京パラリンピックでの銀メダル獲得以来、俄然注目を集める車いすバスケの人気ぶりがうかがわれた。 スピード、チェアワーク、ぶつかり合い。車いすバスケは生で観るのが一番! 神奈川VANGUARDSの鳥海選手も参加。人気・実力とも現在ナンバーワンのプレーヤーだ 大会は出場チームによる対抗戦のほかに、各チーム代表選手によるオールスターマッチを開催。さらに、一般参加ができる車いすバスケフリー体験会、出場選手とチームを組んで戦う5on5ゲームが行われ、車いすバスケをより身近に感じられる、とても楽しく、そして貴重な1日となった。 5on5には一般も参加。選手とチームを組んで戦った ケイアイスター不動産はパラスポーツを積極的に推進する企業のひとつで、2019年4月には障がい者アスリートによる「ケイアイチャレンジドアスリートチーム」を発足させ、現在、デフフットサル、デフサッカー、ろう者柔道、車いすバスケットボール、車いすバドミントンの各競技に日本代表選手を含む計9名のアスリートが所属している。 ケイアイチャレンジドアスリートチームに所属するデフフットサル日本代表の岩渕選手(右)、中井選手(左)と山本監督。先のW杯では決勝でブラジルをPK戦の末破り見事優勝! すごい!  世界一 おめでとうございます! 今大会もパラスポーツをより身近に感じ、競技に興味を持ってもらい、パラスポーツの体験を通して障がいへの理解と選手たちとの交流を深めることを目的として主催している。パラスポーツの普及にとって、非常に価値のある取り組みであることは間違いない。 試合結果、表彰選手 【第1試合】神奈川VANGUARDS 66 VS 22 COOLS 【第2試合】千葉ホークス 46 VS 34 埼玉ライオンズ 【第3試合】神奈川VANGUARDS 43 VS 29 NO EXCUSE 【第4試合】埼玉ライオンズ 45 VS 41 COOLS 【第5試合】千葉ホークス 47 VS 42 NO EXCUSE 【スリーポインター賞】スリーポイントを一番多く得点した選手/COOLS 永田裕幸、神奈川VANGUARDS 丸山弘毅 【ベストファイブ賞】活躍した選手を主催者が選定/COOLS 永田裕幸、神奈川VANGUARDS 古澤拓也、埼玉ライオンズ 北風大雅、千葉ホークス 池田紘平、NO EXCUSE 橘貴啓 【MVP賞】会場のみなさんからの投票で決定/神奈川VANGUARDS 丸山弘毅 取材・文・写真/編集部
杭州2022アジアパラ競技大会

杭州2022アジアパラ競技大会

10月22日~28日、中国杭州でアジアパラ競技大会が開催されました。44の国・地域の選手が22の競技で競い、日本は計150個(金42、銀49、銅59)のメダルを獲得。メダル総数は中国に次ぐ2位でした。大会の様子を写真で振り返ります。次回、2026年のアジアパラは愛知県と名古屋市の共催で行われます。(写真:吉村もと) 10月22日開会式 陸上競技 男子200M(T64)で井谷俊介選手(左)が金メダル!、大島健吾選手(右)が銅メダルを獲得!。井谷選手は23秒49のアジア新記録で優勝しました。 陸上競技 女子砲丸投げで、堀玲那選手が金メダル! 水泳 男子50M自由形(S11)で木村敬一選手(左)が銀メダル! 水泳 女子200M自由形(S14)では、木村あいら選手(右)が金メダル、井上舞美選手(左)が銅メダル! 水泳に出場したS10クラスの3選手。左の川辺多恵選手は女子50M自由形で、右の前田恵麻選手は女子100M平泳ぎで、ともに銅メダル! 中央の久保大樹選手は男子50M自由形で6位に入賞しました。 ブラインドサッカー男子の2日目、日本は地元中国に0対1で惜しくも敗戦。日本は3位決定戦でPK戦の末タイに敗れて4位でした。 車いすバスケットボール、男子は決勝で韓国に逆転勝ちをして見事金メダル!、女子は決勝で中国に惜しくも敗れ銀メダル(写真は予選の模様) 自転車競技 第一人者の杉浦佳子選手は、トラックパラサイクリングタイムトライアルで銅メダル! 男子タイムトライアルでは、藤田柾樹選手(C3、右)が金メダル!、川本翔大選手(C1、左)が銅メダル! ゴールボール会場の前に屹立するゴールボールのモニュメント。 メディアセンターのロッカーは顔認証システム! メディアラウンジのごはん。 10月28日閉会式。日本の旗手は水泳の木下あいら選手が務めました。次回の愛知・名古屋へバトンタッチ!
国枝慎吾さん×堀米雄斗選手が参加のイベントが東京都内で開催!

国枝慎吾さん×堀米雄斗選手が参加のイベントが東京都内で開催!

2023年10月28日、東京都東大和市のBIGBOX東大和にて「NEC+CHALLENGE PROJECT2023」が開催され、車いすテニスの国枝慎吾さんとスケートボードの堀米雄斗選手が競技の垣根を超えて登壇。 日本を牽引するトップアスリート二人のトークショーと、参加者を対象とした車いすテニス体験会の二部構成での実施となった。 この取り組みは、日本電気株式会社と多様性のある環境で挑戦し続けるトップアスリートとの共同プロジェクトで、誰もが挑戦できる社会の実現を目指してさまざまな機会を提供している。多くの参加者を前にして行われたトークショーでは「新しい夢のつくりかた」というテーマが掲げられた。 国枝慎吾さんと堀米雄斗選手(右) ともに東京2020で金メダルを獲得した二人に最初に投げかけられた質問は、「世界でトップに立った時にどんな景色が見えて、どんなことを考えるのか」というもの。 まったく異なる競技を行う二人から出た答えは以外にも似通っていた。目指す頂点に立った後、逆に自分の原点を思い出すのだそうだ。 堀米選手であれば、小さな目標から少しずつ叶えていった小さい頃の気持ちを思い出す。 そして国枝さんであれば、一位になることで誰の背中も見えなくなった状況下で、あえて自分の中に課題を見つけてチャレンジすることにシンプルに向き合う。 そのようにしてモチベーションを保ちながら競技に臨むのだという二人からは、競技への大きな熱意、そして誠実さを強く感じる数分間となった。 「ストレスがたまった時…僕はテニスをします」(国枝さん) トークショーの終盤には、〝夢のつくりかた″に関して国枝選手が放った一言が強く心に残っている。 「常に後悔しない選択をすることが、常に新しいことにチャレンジするためには必要だ」 これまで大きなケガや経済的に厳しい状況に見舞われ、車いすテニスを続けるかどうかを迷うときもあった。ただ、その決断の分岐に立つたびに、自分がその先に後悔することがないかを決断の軸として、何でもチャレンジしていくという。 そうした決断の後、当然痛みが出たり、自分のプレーの質が落ちたりすることもある。そうしたらまた元に戻って新しいチャレンジを繰り返せばいいとも熱く語り、国枝選手の芯の通った人生観に、観覧客からは感嘆の声が漏れていた。 堀米選手は自分自身ですでに新しいチャレンジに挑戦中。 競技へ向き合うことにはもちろん全力投球しながらも、ストリートカルチャーを取り上げた映像作品に携わり、スケーター・オブ・ザ・イヤーの賞獲得を狙いたいと雄弁に語る。 その両軸をもってスケートボードの良さと楽しさを伝え、次の世代がもっと活躍できる場所をつくるという夢に向けて日々トライを続けているようだ。 「これを機会にテニス少しやってみようかな」(堀米選手) 終始笑顔の絶えないかたちでトークショーは終了。その後、車いすテニス体験会が行われた。 体験会には30人ほどが参加し、実際に車いすに乗った状態でコートを移動し、ボールを打つという一連の流れを体験した。 会場ではまず車いすの操作からレクチャーが入るが、これがなかなか簡単にはいかない。 前に進むだけならそう難しいことではないが、ある程度の勢いがないと車いすが回らず、方向転換ができない。 はじめての車いすでスピードを出す行為はけっこう怖い。後半になって慣れは出たものの、序盤はやはり参加者の苦戦の色が強かった。 最後は、実際ボールを打つストローク練習に切り替わった。車いすが思うように動かない中でのラケット操作にはじめは頭を抱えていた参加者だが、だんだんと体を横向きにして正確にボールを捉えるようになり、会場には笑顔が増えていった。 短い時間ながら、車いすテニスを経験して、かつ国枝さんから直接指導も受けられる、参加者にとって至福の時間になったことはまちがいない。最後は会場の全員で記念撮影。テレビで見る雲の上の存在のトップアスリートと同じ時間を過ごし、世界一に輝いたプレーや、競技の世界で生きるのに必要な考え方を直接聞ける機会は、何物にも代えがたいはずだ。
デフフットサル監督が中学生の道徳授業で講師を!

デフフットサル監督が中学生の道徳授業で講師を!

ケイアイチャレンジドアスリートチームに所属するデフフットサルの山本典城(やまもとよしき)監督が、東京の上野学園中学校で道徳の授業で講師に! 中学の全校生徒に障がいへの理解を深めてもらうため、障がいを持つ選手とのコミュニケーション方法やデフフットサルの監督になったきっかけなど、山本監督のこれまでのリアルな経験をもとに、「障がい」や「共生」について講義が行なわれました。 生徒たちは話を真剣に聞きながら熱心にメモを取り、理解を深めた様子! 講演の最後には特別ゲストとしてデフフットサルの岩渕亜依選手が登場し、唇の動きだけで相手が何を言っているのか読み取る「伝言ゲーム 」や声を発さずジェスチャーのみで相手に単語を伝える「ジェスチャーゲーム」を実施、生徒たちは声が聞こえない中でのコミュニケーションを体験しました。 ※本企画は、東京都パラスポーツ公認スタッフでもある山本監督に東京都が行っている東京パラスポーツ人材バンクの「東京パラくる」( https://parakuru.tokyo )を通して依頼があり、実現したものです。

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