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雑誌「パラスポーツマガジン」のご紹介

パラリンピック22競技の見どころ【第18回 トライアスロン】

パラリンピック22競技の見どころ【第18回 トライアスロン】

スイム、バイク、ランを競う「トライアスロン」。バイクレースでは、自身の障がいに応じて自転車を使い分けて走ります。視覚障がいの選手は伴走者と一緒にランに挑みます。 スイム、バイク、ランとトランジションパートごとの熾烈な順位争いが魅力 2016年リオ大会で正式競技になったトライアスロン。オリンピックの半分の距離となるスイム(0.75km)、バイク(20km)、ラン(5km)の合計25.75kmでレースが行われる。下肢障がいの選手はハンドサイクルとレーサーを使用し、視覚障がいの選手は2人乗りタンデム自転車を使用するなど、競技用具を使いこなしてレースに臨むが、スイムだけは水泳同様補助具の使用は認められない。それぞれのパートをつなぐトランジションをいかに短時間でスムーズにこなすかも見どころで、下肢障がいの選手はハンドラーと呼ばれるアシスタントのサポートを受けることができる。選手は得意なパートで勝負をかける。順位の入れ替わりも熾烈を極める。   日程:8月28日(土)~8月29日(日) 会場:お台場海浜公園 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第17回 自転車】

パラリンピック22競技の見どころ【第17回 自転車】

トラックレースとロードレースが行われる「自転車」。視覚障がい選手が使う2人乗りのタンデムのほか三輪自転車、ハンドバイクなど自転車の種類も多いのも楽しみのひとつです。 ロードレースとトラックのスピード勝負 ポジション争いと駆け引きも魅力 自転車競技は、屋内の専用走路で行われるトラック種目と、屋外の走路で行われるロード種目がある。障がいに応じて使用する自転車が異なることが特徴。Cクラス(切断やまひなど)は一般と同じ2輪、Tクラス(体幹に重度障がいがある)は3輪、Bクラス(視覚障がい)は2人乗りのタンデム、Hクラス(下肢障がい)は手で駆動させるハンドサイクルを使用する。ロード種目には全クラスが出場するが、トラック種目に出場するのはCとBクラス。Hクラスには冬季パラリンピックでもメダルを獲得している二刀流選手が存在する。スピードとパワーが見どころだ。 日程:8月25日(水)~9月3日(金)  会場:伊豆ベロドローム、富士スピードウェイ 文/宮崎恵理
パラリンピック22競技の見どころ【第16回 馬術】

パラリンピック22競技の見どころ【第16回 馬術】

規定種目には20~30の課題があり、クラスによって難度や歩き方が異なる「馬術」。馬が踊るようにステップする自由演技はとても華やかです。 正確でリズミカルな動き馬と人とのハーモニーを楽しむ 馬とともに演技し、その技の正確さや美しさを競う馬場馬術。パラリンピック唯一の採点競技だ。障がいの内容や程度により5クラスがあり、クラスに応じたテクニックを披露する。種目は個人課目、団体課目、自由演技課目の3つ。自由演技課目は個人課目の上位選手だけが出場し、音楽に合わせた踊るような演技が見られる。演技での注目ポイントは、馬の顔の向き。地面に対して垂直になるような状態が最も美しい姿勢と言われている。この姿勢ができているのは、選手とのコミュニケーションがしっかり取れている証拠。人と馬の調和が見どころだ。 日程:8月26日(木)~8月30日(月) 会場:馬事公苑 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第15回 パワーリフティング】

パラリンピック22競技の見どころ【第15回 パワーリフティング】

鍛え抜かれた胸や腕の筋肉。選手たちのビルドアップされたカラダを見るだけでも感動モノの「パワーリフティング」。パワーとテクニックの両方がぶつかり合う競技です。 下ろして挙げるまでわずか3秒力だけでなく美しさが記録を作る おもに下肢に障がいがある選手が出場し、台の上で仰向けになりバーベルを押し上げるベンチプレス競技。障がいによるクラス分けはなく、男女とも体重別の階級で競技が行われる。選手はラックからバーベルを外した後、まっすぐ胸の位置まで下ろしていったん止めてから、再び真っ直ぐに押し上げる。少しでもバランスが乱れたり、胸の位置で止められなければ失格となる。試技の時間はわずか3秒。選手はこの3秒のために競技人生を懸けている。2016年リオ大会ではイランのシアマンド・ラーマンが人類初となる310kgを成功させ、世界を驚かせた。   日程:8月26日(木)~8月30日(月) 会場:東京国際フォーラム 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第14回 車いすフェンシング】

パラリンピック22競技の見どころ【第14回 車いすフェンシング】

座ったままの状態で、移動せずに突き合う「フェンシング」。見ていてもわからないほどの速さで、一瞬のうちに勝負が決まることもあるスリリングさが魅力です。 息つくヒマもないほどの剣の応酬 駆け引きとテクニックが勝負のカギ ピストと呼ばれる装置に車いすを固定し、上半身だけで行うフェンシング。剣やユニフォームなどの装備は一般の競技と同様だ。種目はフルーレ、エペ、サーブル(種目により攻撃範囲が異なる)。一般のフェンシングのように前後への動きがないため、常に至近距離で剣を戦わせることになり、展開が早いことが特徴だ。フルーレ、サーブルでは攻撃権の争奪戦から始まり、駆け引き、心理戦を駆使して一気に攻め込む。選手の息遣いまで伝わってくる。1960年ローマ大会から続く競技で、ヨーロッパが盛んだが、中国や香港などのアジア勢も躍進している。 日程:8月25日(水)~8月29日(日) 会場:幕張メッセ 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第13回 アーチェリー】

パラリンピック22競技の見どころ【第13回 アーチェリー】

自身の個性を駆使して、0.1ミリの精度を競い合う「アーチェリー」。極限状態の中での超人的な集中力も見どころです。 オリンピックで活躍する選手やギネス世界記録を打ち立てた選手もいる アーチェリーはパラリンピックの原点であるストーク・マンデビル大会(1948年)で実施された伝統的な競技。リカーブまたはコンパウンドという弓を使って、的に向かって矢を放ち、その得点を競う。2016年リオ大会で金メダルに輝いたイランのザーラ・ネマティは、オリンピックにも出場。イラン人女性として初めて旗手を務めたことでも話題になった。アメリカのマット・スタッツマンは、両腕がなく足とアゴを使って矢を放つスタイルで、パラリンピック出場だけでなく15年には283.47mもの先にある的を射抜き、ギネス世界記録を樹立した。   日程:8月27日(金)~9月4日(土) 会場:夢の島公園アーチェリー場 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
道下里美(視覚障がいマラソン) 仲間がいるから強くなれる――逆境でつかんだ「わたしの形」(後編)

道下里美(視覚障がいマラソン) 仲間がいるから強くなれる――逆境でつかんだ「わたしの形」(後編)

東京2020パラリンピックのマラソン競技、視覚障がいクラス女子の金メダル候補、道下里美選手の独占インタビュー。後編をお届けします! ※この記事は『パラスポーツマガジンVol.8』(2020年12月7日発売)からの転載です。   コロナ禍でも強くなれた理由  新型コロナウイルスの影響による東京2020パラリンピックの1年延期は、道下美里にとっては衝撃だった。競技生活を続けられるのかと悩んでいた時、温かい声をかけてくれたのは仲間たちだった。  「チーム道下」の仲間たちも「みっちゃんのやりたいように、支えるから」といってくれた。「東京での金メダル」は「チーム」共通の目標でもある。だから、練習を休むという選択肢は誰にもなく、むしろ、どうすれば安全に練習が続けられるか皆が考えてくれた。  接触する人を減らすため携わる伴走者を数名に絞った。緊急事態宣言下では所属企業と相談し、「屋外での練習は週4回」に減らしたが、その中でより中身の濃いトレーニングをしたいと、早朝から伴走者に車で送迎してもらい、日の出とともにひと気のない山道をひたすら走った。  「社会全体が大変だった時期に、みんなが一緒に乗り越えてくれました。感謝でいっぱいです」  もちろん、一人でもできる自宅での体づくりにも一心にはげんだ。筋力トレーニングはコロナ前には週2回、1時間ほどで追い込んでやっていたが、自粛期間中は1日最低1000回のノルマを自分に課した。また、練習最優先で外食に頼りがちだった食生活も見直した。体重管理や体質改善を考え、1日30品目摂取を意識した自炊を再開させた。  伴走者なしでもできる脚力や体力維持の方法として、1日3時間のウォーキングにも取り組んだ。ただし、白杖での単独歩行は危険もあるので、夫との試し歩きをして安全性が確認できた道で繰り返した。ひとり黙々と歩きながら思い出したのは、「目が見えなくなって、ひとりでは外出できない。走れない」と落ち込んだ頃のこと。どうしたらできるのかと考え工夫を凝らした当時の経験は、コロナ禍でこれまでの練習がむずかしい現状と似ていて、「走ることを楽しむ。そんな初心に帰れました」  こうして練習量もそれほど落ちることなく、むしろ起伏のある山道走は脚づくりに役立った。筋トレや食生活の改善で体つきが変り、軽快なピッチはそのままにストライドが広がってフォームも安定した。今年7月には非公認ながら5000メートルの自己記録が30秒以上も縮まった。「コロナ禍でも、いい練習が積めている」。確かな手ごたえを感じた。 確信した「マラソンはチーム戦」  「苦しいときこそ、笑顔に」がモットーの道下は、いつも笑顔でポジティブの印象が強い。だが、「実は超ネガティブシンキング」という。昨年2月から3月にも、ドンと落ち込んだ。ちょうどロンドンでの世界選手権の直前で、できるだけ悪いイメージを持たないように日常生活や練習からマイナス要素を消そうと心掛けた。すると、かえってできないことが目についた。遅刻や忘れ物が多く「なぜこんな基本的なことができないの」と自分を責めた。  失敗できないレースを前に自分では気づかない重圧や気負いもあったのだろう。知らぬ間に涙がジワジワにじむ日が1週間も続いた。何もかも空回りし、練習もうまくこなせず、ロンドン前の最後のポイント練習も途中でリタイアしてしまった。  負のスパイラルから救い出してくれたのは、ロンドンで伴走を務める予定の二人だった。思い切って苦しい胸の内を吐き出すと、青山由佳さんは、「できないことはわたしたちがやるから大丈夫」と声をかけ、志田淳さんはライバル選手を研究したうえで、「練習のつもりで走っても金メダルだよ。あとはまかせて」と胸を叩いた。  「今思えば、『ひとりで乗り越える強いアスリート像』を勝手に背負い、自分のキャパ以上のことをやろうとしていたのだと思います。ふたりの言葉で、気持ちが楽になりました」  弱い自分と素直に向き合って、できることに全力を尽くせば、必ず手を差し伸べてくれる仲間がいる。そうしてプラス思考のスイッチが入れば、一歩前に踏み出せる。コロナ禍で、より一層強く実感したという。  「わたし自身はそんなに強くないけれど、一緒に戦ってくれる仲間たちがいるから強くなれる。そういう『自分の形』が確立できました。東京パラリンピックでは、アスリートとして成熟した走りを披露したいです」  今はまだ、苦しんでいる人も多いと思われる社会情勢のなか、自分にできることは走ること。「きずな」でつながる仲間たちと二人三脚、「最後まであきらめずに走る姿で元気や勇気を伝えたいです」。その先にはきっと、金メダルが待っている。 PROFILE みちした・みさと/1977年1月19日、山口県生まれ。福岡県在住。三井住友海上所属。視覚障がいT12クラス。角膜の機能が低下する難病を発症し、中2で右目を失明。左目にも発症し、視力は0.01以下に。26歳から伴走者と走る陸上を始め、31歳でマラソンに転向。2014年、当時の世界記録を樹立し、16年、リオパラリンピックの視覚障害女子マラソンで銀メダルを獲得。19年、世界選手権優勝で東京パラリンピックの代表に内定。20年に世界記録(2時間54分22秒)を更新。   取材・文/星野恭子 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第12回 柔道】

パラリンピック22競技の見どころ【第12回 柔道】

オリンピックで日本人選手が大活躍した「柔道」。パラリンピックでは視覚障がいの選手が、聖地・日本武道館の畳に立ちます。 組み合ったまま相手の動きを察知集中力、持久力がモノをいう 視覚障がいの選手が出場するパラリンピックの柔道。障がいの程度によるクラス分けはなく、体重による階級(男子7階級、女子6階級)別に競技が行われる。特徴は、選手同士が組み合った状態で主審が「はじめ」の合図を出すこと。試合中に選手が離れると、試合は中断し組み直してから再スタートする。組み手争いがないため、終始技の掛け合いが続く。テクニックだけでなく集中力や持久力も勝敗を分けるカギとなる。一瞬の隙をついて繰り出される大技で一本が決まることも。観戦する者も目が離せない展開が、パラ柔道の見どころだ。   日程:8月27日(金)~8月29日(日) 会場:日本武道館 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
道下里美(視覚障がいマラソン) 仲間がいるから強くなれる――逆境でつかんだ「わたしの形」(前編)

道下里美(視覚障がいマラソン) 仲間がいるから強くなれる――逆境でつかんだ「わたしの形」(前編)

東京2020パラリンピックのマラソン競技は、9月5日(日)、新国立競技場を発着点に行われます。東京を走る選手たち。視覚障がいクラス女子の金メダル候補、道下里美選手の独占インタビューをお届けします!   ※この記事は『パラスポーツマガジンVol.8』(2020年12月7日発売)からの転載です。    道下里美は、中学2年で右目を失明、左目も重度の弱視となった。「何もできなくなっちゃった」と止まりかけた人生が再び動き出したのは、20代後半のこと。目の代わりとなる伴走者とのランニングと出合い、「風を切って走るって楽しい!」。パラリンピック銀メダル、世界記録更新……。40歳をすぎてなお進化し続ける原動力は、金メダルへの執念と仲間との絆だ。   東京パラ1年延期の衝撃  2016年夏のリオ、道下美里は初めて正式種目に採用された視覚障がい者女子マラソンで、気温30度を超える過酷なレース環境のなか、ねばりの走りで2位に入った。金メダルには届かなかったが、フィニッシュ後、共に走った伴走者や応援団と喜び、「いまのわたしには最高の銀メダル」と笑顔を見せた。  だが、表彰式では一転、涙がポロポロと頬を伝った。優勝したスペイン選手を称える同国国家が流れるなか、「わたしが聴きたかったのは、この曲じゃない」。先行され、追いきれなかったレース内容に悔しさがこみあげた。  「攻めの走りをして、次は絶対に金メダル!」。強い覚悟を胸に、東京パラリンピックで「最強の自分」になろうと綿密に立てたトレーニングプランを積み重ねてきた。マラソンはそう頻繁に記録が向上する競技ではない。4年間の前半は基礎を固め、ギアチェンジして後半2年で段階的に記録を出し、本番に向けて調子を上げていこう。そんな青写真を描いていた。  そして、2019年春、ロンドンで行われた世界選手権で優勝し、東京パラリンピック代表に内定した。2020年2月には別府大分毎日マラソンで2時間54分22秒をマーク、自身のもつ世界記録を2分近くも更新した。あとは初夏のレースで5000メートル自己新を出して弾みをつけ、9月の本番へ。「いい流れ」に乗っていた。  だが、3月下旬、大会の1年延期が決定した。新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりから予想はしていたものの、いざ自宅でニュースを聞いたときのショックは決して小さくなかったという。  「1年後……。強化スケジュールも気持ちも、どうやって作り直したらいいんだろう」  視覚障がい者マラソンでは単独走の選手もいるが、重度弱視の道下には、「きずな」とも呼ばれる専用ロープでつながる伴走者が必要だ。毎日の練習もレースも、20代から70代の約20名の市民ランナーからなる「チーム道下」の仲間たちにずっと支えられてきた。  そんな仲間たちにももう1年、時間をやりくりし、走力や気力を保つ努力をしてもらいながら、サポートを延長してもらわねばならない。  「どうしようと、あれこれ考えて悩んでいたら頭が痛くなって熱が出ました。まるで子どもが考えすぎて出る、知恵熱のように」  そのまま体調を崩し数日間、寝込んだ。すると、古い友人や知人らも含め、多くの電話やメールが届いた。「応援に行こうと思ってたんだよ」「少し体を休めたら」「もう1回『夏』を経験できるね」  温かい言葉の数々に、「みんながわたしを気にかけてくれている。後ろ向きになっている場合じゃない」。改めて「走る意味」に気づかされ、落ち込んだ気持ちをリセットできた。 (後編へ続く) PROFILE みちした・みさと/1977年1月19日、山口県生まれ。福岡県在住。三井住友海上所属。視覚障がいT12クラス。角膜の機能が低下する難病を発症し、中2で右目を失明。左目にも発症し、視力は0.01以下に。26歳から伴走者と走る陸上を始め、31歳でマラソンに転向。2014年、当時の世界記録を樹立し、16年、リオパラリンピックの視覚障害女子マラソンで銀メダルを獲得。19年、世界選手権優勝で東京パラリンピックの代表に内定。20年に世界記録(2時間54分22秒)を更新。 取材・文/星野恭子 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第11回 バドミントン】

パラリンピック22競技の見どころ【第11回 バドミントン】

座位2クラス、立位4クラスで行われる「バドミントン」。素早いチェアワークや高い技術に、目が釘付けになります! 初代金メダリストの栄冠は誰の手に豪快なラリーとショットに注目 東京大会で初めて正式競技となるバドミントン。障がいの種類や程度により車いす2クラス、立位4クラスに分かれて競技が行われる。クラスによって使用するコートの範囲が異なる点が、パラリンピック特有のルールだ。車いすのクラスでは、コートの幅が一般の半分になる分、前後の揺さぶりがカギとなる。通常のコートの広さを使用するクラスでは、コート奥を狙うハイクリアやジャンピングスマッシュなどの豪快なプレー、ネット際でのヘアピンなど、ハイレベルなテクニックが繰り出される。バドミントンが国技と言われるインドネシアほか、マレーシアやタイ、中国などアジア勢が世界の強豪。そこに、ヨーロッパなどフィジカルに恵まれた選手たちがどう絡んでくるか。初代金メダルの行方に注目したい。 日程 9月1日(水)~9月5日(日)会場 国立代々木競技 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第10回 シッティングバレーボール】

パラリンピック22競技の見どころ【第10回 シッティングバレーボール】

お尻を床につけて行う「シッティングバレーボール」。障がいのあるなしにかかわらず楽しめるユニバーサルスポーツとしても注目されています。 ジャンプしないバレーボールはパワフルでスピーディ オランダで誕生したシッティングバレーボールは、1980年アーネム大会から正式競技となった。おもに下肢などに障がいがある選手が座ったままプレーする。ラリーポイント制で1セット25ポイント先取の5セットマッチで勝敗が決まる。6人制バレーボールとほぼルールは同じだが、コートの広さは幅6m×長さ10m、ネットの高さは男子が1m15cm、女子は1m5cm。独自のルールとしては、ファーストレシーブ以外のプレー時に臀部が床から離れると「リフティング」という反則になること。また、相手サーブを直接ブロックすることが認められている点も、大きな特徴だ。床から近い分、展開はスピーディ。床ギリギリのボールをレシーブし、どこからでも攻撃するラリーは、緊迫感にあふれている。   日程 8月27日(金)~9月5日(日)会場 幕張メッセ 文/宮崎恵理 写真/吉村もと
パラリンピック22競技の見どころ【第9回 卓球】

パラリンピック22競技の見どころ【第9回 卓球】

立位、座位、知的障がいのクラスがある「卓球」。一般の競技規則に準じて行われ、健常者の大会で活躍する選手もいます。 徹底的に相手の弱点を狙う プレースタイルと戦術の多様性が魅力 卓球台、ラケット、ボールなど用具もルールも一般の卓球同様。1960年第1回ローマ大会から実施されている伝統ある競技だ。障がいの種類や程度によってクラス分けがあり、身体障がいのほか知的障がいのクラスもある。見どころは、さまざまな障がいに応じた多様なプレースタイルだ。車いす選手は、横方向への移動が困難なため、卓球台の近くでプレーする。ネット際や左右に打ち分け、相手の手の届かないところにショットを打ち込む。2016年リオ大会では、両腕のないイブラヒム・ハマト選手(エジプト)が、ラケットを口に加え、足でサーブのトスをあげる姿が注目の的だった。相手の弱点を見極め攻める、障がいによる弱点を克服してカウンターを狙う。戦術を駆使したラリーの応酬が、パラ卓球最大の魅力だ。 日程:8月25日(水)~9月3日(金) 会場:東京体育館 文/宮崎恵理 写真/吉村もと

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