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雑誌「パラスポーツマガジン」のご紹介

障がいのある方が作る、おいしいパンが社内で大人気!~JXTGエネルギー株式会社~(2)

障がいのある方が作る、おいしいパンが社内で大人気!~JXTGエネルギー株式会社~(2)

JXTGエネルギー株式会社では、定期的に本社ビルで、障がいのある方が製造・販売する『ころ・ころ』のパン販売会を開催しています。障がいのある方が活躍できる社会づくりへの貢献の一環として行っているもので、毎回、会場前にはオープンを待つ社員の長蛇の列ができる、大人気のイベントです! 『ころ・ころ』を運営するコロニー中野は、社会福祉法人東京コロニーの一事業所で、身体・知的・精神の3つの障がいを対象に「障がいのある人が働くため」の就労継続支援事業A型(雇用型)とB型(非雇用型:いわゆる施設利用者)、「就職するための支援と訓練を行う」就労移行支援事業、障がいが重くても「働く」ということに主軸を置いてサポートを行う生活介護事業の4つの機能を持つ、定員80名の多機能型事業所です。 『ころ・ころ』は2008年5月に店舗営業を開始し、現在9名の障がいをもった方が働いています。就労を目指す人は接客、清掃、厨房作業を通してビジネスマナーの習得や作業効率の向上に取り組み、それ以外の人は日々の作業の中で少しでもできることを増やせるように日々取り組んでいます。   『ころ・ころ』の最大の目的は利用者の就労支援です。就労移行ではパン作りや接客を通して、より一般就労に近い形で労働経験ができる『ころ・ころ』でしっかりと社会人としての基礎を身につけてもらい、就労に必要な支援をしています。また、ここで継続して働くことを希望する利用者(B型利用)のためには働きやすい環境作りと売上アップによる工賃の向上を目指した取り組みを行っています。 福祉施設とはいえ売上確保は絶対条件。そのため法人内の他事業所への販売を手始めに、近隣の施設との委託販売の契約、地域の企業への昼食販売やイベントへの出張販売など外部販売に注力しています。 パンの種類としては、特に天然酵母の「あこ」酵母を使ったパンに力を入れており、体に良い材料だけを使用。パンだけではなく、ベーキングパウダーを使用せず焼き上げるシフォンケーキや、グラノーラ、クッキー類の焼菓子も人気です。また、中野在住のフルーツカッティング界で著名な平野泰三先生から「中野区逸品コンテスト」でグランプリに輝いた「生フルーツゼリー」レシピの無償提供を受け、製造販売をしています。   店舗には地域のグループの方や夫婦、親子連れが昼食やティータイムに来店、地域の憩いの場としても利用されています。現在では売上も年商1400万を超えるまでになり、 「さらに多くの方に利用していただく就労支援の場として工賃アップと処遇改善のため、これからもおいしいパン作りに励んでいきたい」、とのこと。今後も活動に注目です!
“本気で” パラスポーツを 応援します! ~JXTGエネルギー株式会社~(1)

“本気で” パラスポーツを 応援します! ~JXTGエネルギー株式会社~(1)

選手への活動支援や大会運営のサポート、普及活動への協力など パラスポーツを応援する企業が増えている。 ENEOSのガソリンスタンドを展開しているJXTGエネルギーは、 オリンピックとパラリンピックを分け隔てなく、 「東京2020を目指すすべての人に熱いエネルギーを。 その想いで今こそひとつになろう」とスポーツを応援している。   JXTGエネルギーは東京2020ゴールドパートナー(石油・ガス・水素・電気供給)として東京大会をバックアップするだけでなく、社員が試合会場でスタッフとしてボランティアしたり、観戦してスポーツを盛り上げるなど、選手たちとともに活動している。 2019年5月10日~12日に開催された「天皇杯 第47回日本車いすバスケットボール選手権」は、車いすバスケットボールの日本チャンピオンチームが決まる伝統の大会だ。同社は協賛企業として開催を支えるととともに、多くの社員が応援観戦サポーターやボランティアとして参加した。 大会会場は東京パラリンピックで同種目の会場となる武蔵野の森総合スポーツプラザ。そのため、2020年のパラリンピックを目指す選手たちにとっては、本番へ向けてのテストマッチとして例年以上に重要な大会となった。 同社社員の西村元樹さん(根岸製油所 製油技術Gr.)も「パラ神奈川スポーツクラブ」のメンバーとして出場。結果、4位となったが、西村さんは、「今大会はキャプテンとして臨んだ初めての天皇杯でした。日に日にチーム力が上がっていくのを実感していましたが、力及ばずベスト4という結果。個々の力は十分そろっていると思うので、来年はチームとしての底力を強化し優勝を勝ち取ります」 と、新たな目標に向かって練習を再開している。 車いすバスケットボールはスポーツエンタテイメントとしても注目されている。今大会には有料チケット席が用意され、総勢1万8千名を超える観客が来場して、選手たちに熱い声援を送った。 同社からも総勢54名の社員とその家族がENEOS応援観戦サポーターとして参加した。同社キャラクターのエネゴリくんタオルや応援グッズを手に、選手たちの迫力あるプレーに圧倒されながら、西村さんをはじめ多数の選手を声がかれるまで応援した。これまでに500名以上の社員が観戦を経験しており、社内にはパラスポーツファンが急増中という。     左)東京2020パラリンピックを目指す選手への応援メッセージをハート型の折り紙に書いて届けるENEOSおりがみPROJECTを展開している 右)参加者の笑顔があふれる体験イベントも積極的に開催。ボランティア参加する社員も一緒になって楽しむ   JXTGエネルギーが協賛するパラスポーツ (一社)日本身体障害者スキー協会〈全国身体障害者スキー大会〉 日本身体障害者スキー協会が主催する「全国身体障害者スキー大会」は、1972年から開催され、障がい者スキーの普及とスキーを通した障がい者の社会参加の促進につながる大会となっています。JXTGエネルギーは1981年より同大会をサポートしています。   (一社)日本身体障がい者水泳連盟〈日本パラ水泳選手権大会〉 日本身体障がい者水泳連盟が主催する「日本パラ水泳選手権大会」は、1984年から開催され、水泳競技の魅力を知ってもらうとともに、東京2020パラリンピックへつながる大会となっています。JXTGエネルギーは2016年より同大会をサポートしています。 (NPO)日本身体障害者野球連盟〈身体障害者野球大会〉 日本身体障害者野球連盟などが主催する「全国身体障害者野球大会」は、1993年から続く身体障がい者野球の国内最大規模の大会で、加盟37チームの中から、地区予選成績をもとに選抜された16チームが日本一を目指して戦います。JXTGエネルギーは2007年よりサポートしています。
「パラキャンプ」でノーマライゼーション!

「パラキャンプ」でノーマライゼーション!

2019年8月3日、障がい者向けのアウトドアイベント「パラキャンプ」がついに開催!障がいの有無に関わらず、人気が高まっているキャンプを楽しもうという本誌によるイベントには、約40名が集まった。 今回は、群馬県の「赤城自然園」にて開催された。朝10時の開会式を終えると、参加者はそのまま列となって園内散策をスタート。暑くて大変な道だったけど、途中で立ち寄った昆虫館や、まわりの草花にみんな興味津々。笑顔で良い汗をかいて、森の中の自然を満喫した! 散策を終えると、ちょうど小腹が空いてきたころ。タープを設置して、みんなでBBQを楽しんだ。最高の陽射しのなかでのアウトドア体験には、やっぱりBBQがよく似合う。炭火で焼いた野菜や肉をほおばりながら、「暑いけど楽しい!」なんて感想も。 食べたあとは、運動したくなるもの。そばの草原にブルーシートを敷き、即席ボッチャ体験会も開催した。ボッチャのルールは簡単、だけどむずかしい。そんな奥の深さに、みんな夢中でボールを握っていた。 同時に、実際に編集部が前夜寝泊まりしたテントを用いて、テント設営の仕方を実演。歩き疲れた子どもたちは、立てたテントの中で寝転がる。秘密基地のような感じが好評だった。 そして、最後は間伐体験。実際にチェーンソーにも触れてもらい、専門家の指導の下、木を切り倒した。木にくくりつけたロープを必死に引っ張る参加者には、なんだかチームワークが芽生えたよう。暑さなんて、もう気にならないくらいに楽しんでいた。 「体験ボッチャも、木を倒すのに一生懸命紐を引っ張ったことも、楽しい思い出です」と、参加者からの感想ももらえた。 2回目の開催は来春の予定。開放的でのびのびできる環境を、次の機会にぜひ味わってみてほしい。   取材・文/編集部 写真/中里慎一郎  
デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!選手編2

デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!選手編2

今回は決勝トーナメント進出を果たした女子チームの主要選手を紹介しよう! ※写真の水色のユニフォームが日本代表選手 前回の記事はこちらをチェック!↓ https://psm.j-n.co.jp/?p=1694&preview=true     #10 岩渕 亜依(いわぶち あい) 「4年前、ワールドカップの準々決勝のPKで、最後に外してしまったんです。その時に負けて、悔しくて、そこから4年間がんばってきました。今年のワールドカップでは、絶対金メダルを取って日本に帰って、応援してくださるみなさんに、いい報告がしたいと思います。 今年のアジア大会で優勝した後、日本のトップレベルのチームとたくさん試合をさせていただいたので、意識も技術もレベルアップした日本を見せられると思います」 生年月日:1993年8月24日 所属チーム:early.f.t(都2部) 勤務先:ケイアイスター不動産株式会社   #6 阿部 菜摘(あべ なつみ) 「小学3年から健常者とサッカーをしていましたが、5年くらい前にデフフットサルに出会いました。ワールドカップでは、どんな相手でも、相手がどんな攻め方をしてきても、きちんと対応できるプレーをしたいと思います。 今のチームは、選手それぞれに個性があるのが強みです。チームの全員、今大会では世界一を取りたいという思いが強く、お互いに高め合いながらプレーをしているので、チームワークがすごくいいと思います」 生年月日:1999年12月21日 所属チーム:日本体育大学学友会女子サッカー部、日体大FIELDS横浜サテライトB(都1部) 就学先:日本体育大学     #15 一色 麻衣(いっしき まい) 「元々サッカーが好きだったのですが、デフの女子チームがなくて、男子のデフチームに呼ばれてフットサルを始めたのがきっかけです。試合では守備が多いのですが、体を張って防ぐのが私のプレースタイルです。 今回のワールドカップは私は2回目になるのですが、8年前に全力を出せなかったので、今回は全力を出して後悔のないようなプレーをしたい。また、子どもに自分ががんばっているところを見てほしいなと思います」   所属チーム:FUSION(都1部)     3回にわたって監督、選手を紹介してきたが、彼らの魅力、情熱は伝わっただろうか。 編集部では、今後も彼らの活躍をお伝えしてきたい。   文/辻野聡、編集部 写真/中里慎一郎
デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!選手編1

デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!選手編1

  デフフットサルについて3回目の特集となる今回は、日々熱い戦いを繰り広げる日本代表選手チームの主要選手を紹介しよう。 ※前回の記事はこちらからチェック!↓ https://psm.j-n.co.jp/2019/11/12/1601/     現在の日本代表は、男子、女子ともに14名が選ばれている。 なかにはアスリート雇用の選手もいて、選手のレベルはどんどん上がっている。    #7 東海林 直弘(しょうじ なおひろ) 「小学2年生から健常者のサッカーを始めて、高校でデフサッカー、デフフットサルに出会いました。自分がチームに何で貢献できるかというと、やっぱりゴールです。ドリブルからのシュートなど、ゴールにつながるプレーが得意です。 ワールドカップでは世界一をとることが目標ですが、それはあくまでも通過点。世間のデフフットサルを見る目を変えて興味を持つ人が増えれば、デフの障がい者スポーツの発展につながると信じています」 生年月日:1992年8月26日 所属チーム:AVANSOL/さいたま(埼玉県1部) 勤務先:株式会社オークネット       #9 鎌塚 剛史(かまづか つよし) 「サッカーは小学1年からずっとやっていて、大学3年のときにフットサルを始めました。自分の実力を試すために単身イタリアに渡って、イタリアで2年間、健常者のチームでフットサルをやっていました。 ワールドカップは素晴らしい大会なので緊張がないと言ったら嘘になりますが、個人技には自信があるので、ドリブルで打開してチームを勝利に導くことができたらと思います。優勝する自信はあります。もう自信しかないですね」 生年月日:1995年10月12日 所属チーム:トルエーラ柏(F2リーグ) 就学先:大東文化大学       #6 上井 一輝(うわい かずき) 「サッカーは物心ついた時からしていたのですが、大学の時に聴覚障がいになり、これからどうしようと思っていた時にデフフットサルと出会いました。 デフは意思疎通の方法が独特なので、そこが魅力です。僕は、しっかり守って、たくさん走って、セカンドポストでゴールを決めるプレーが得意です。この4年間、ワールドカップでの優勝目指して積み重ねてきたので、絶対に優勝したい。自信は100%、優勝以外はあり得ないです」 生年月日:1987年7月28日 所属チーム:LIGAR.F.C(和歌山県2部) 勤務先:株式会社メルカリ     #3 設楽 武秀(したら たけひで) 「サッカーは小学4年からはじめて、フットサルは大学1年から。フットサルはサッカーと違って切り替えが早く、ボールにたくさん触れるのが魅力。チームメイトと連携しながらプレーするのが醍醐味です。 ワールドカップは2回目。前回は経験値が低かったので、この4年間はフットサルに一生懸命取り組んできました。メンバーの団結力がより強くなり、監督の思いも選手は肌で感じているので、大会ではみんなの思いをぶつけるだけです」 生年月日:1992年10月19日 所属チーム:スプリズ(埼玉県1部) 勤務先:中外製薬株式会社     ※次回「デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!選手編2」につづく   取材・文/辻野聡 写真/中里慎一郎      
デフフットサルワールドカップ!予選リーグ結果は…?!

デフフットサルワールドカップ!予選リーグ結果は…?!

女子日本代表チーム、決勝トーナメント進出!(デフフットサルワールドカップ) 男子は初戦のブラジル戦で5対2で勝利したものの、続くポーランド戦では4対5、ロシア戦も1対2と敗戦。勝ち点3で3チームが並んだが、得失点差の結果惜しくも3位で予選敗退となった。この悔しさを次のパワーにして13日に行われる順位決定戦へ。 一方、女子は初戦のスウェーデン戦では3対3のドロー、続くフィンランド戦は6対0と快勝も、ヨーロッパ王者ポーランドには4対6と僅差で敗れてしまう。しかし、予選2位となり決勝トーナメント進出が決定した。準々決勝は13日、ブラジルとの対戦だ。 これから男子は順位決定戦、女子は決勝トーナメントに挑む。 立つステージは違えど、彼らの目指すものは目の前の「勝利」のみ。 闘いはまだ続く。 【男子日本代表 結果とスケジュール】 <予選> 11月9日 〇5対2ブラジル 11月10日 ●4対5ポーランド 11月11日 ●1対2ロシア <決勝ラウンド> 11月13日 9~12位決定戦 対アルゼンチン 11月15日 9~12位決定戦 【女子日本代表 結果とスケジュール】 <予選> 11月9日 △3対3スウェーデン 11月10日 〇6対0フィンランド 11月11日 ●4対6ポーランド(ヨーロッパ王者) <決勝ラウンド> 11月13日 準々決勝 対ブラジル 11月14日 準決勝ほか 11月16日 決勝、3位決定戦 ※日本時間。スケジュールは変更される場合あり 文/編集部 写真/中里慎一郎  
デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!監督編

デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!監督編

前回に引き続き、現在開催されているデフフットワールドカップについて紹介しよう! ※前回読んでいない方はこちらを先にチェック!↓ https://psm.j-n.co.jp/2019/11/11/1541/ 今回は、選手たちを支える2人の監督に注目。選手の一番近くで指導している彼らが、チームそしてワールドカップに対する想いを熱く語ってくれた。 男子代表・川元 剛(かわもと たけし) 監督 1979年5月10日生まれ、大阪府出身。高校卒業と同時にフットサルにのめり込む。7年前に男子代表チームの監督に就任。フットボールの総合事業を手がける「パスドゥーロ」を主宰。 「前々回のワールドカップのときに代表ウエアを作ってお手伝いしていたのがきっかけで、デフフットサル日本代表の監督をやることになりました。私が最初に日本代表チームを見たとき、どこかの同好会のようでした。環境を変えないと強くはならないと思い、いろいやっていたら、スタッフが集まり、選手のモチベーションも変わってきました。今のチームは、4年前にはひとりもいなかったアスリート雇用の選手が半分ぐらいいて、練習試合の相手も強豪チームとできるようになってきました。 2月に準優勝したアジア予選後に、土屋選手と仲井選手が急成長して、イタリアで2年間プロフットサルチームに所属していた鎌塚選手が加入して、全体のレベルは上がっています。アジア予選の決勝戦でヒザが壊れてしまった上井選手もケガから復活して、相当な覚悟で大会に臨もうとしています。チームの実力は、世界のトップ5には入っていると思います。私のなかでは、世界1位のイランに限りなく近づいていると思っています。ワールドカップでの目標は最低でも世界一です。」 女子代表・山本 典城(やまもと よしき) 監督 1975年11月9日生まれ、奈良県出身。大学までサッカーをやっていたが身体的な限界を感じてフットサルに。2013年より女子日本代表の監督に就任。代表監督は今年で通算7年目を迎える。 「女子は前回のワールドカップで、世界ランキング4位のスペインに予選リーグで勝って決勝トーナメントに上がったのですが、準々決勝で負けて最終的には6位でした。世界のなかでトップになるチャンスがあるということを凄く感じた大会でした。そして、スタッフ、選手を含めて、世界で勝つためには何が必要かを考えて、実際にそれを実行してきました。 今のチームには、いろいろな特徴をもった選手がいます。キャプテンの岩渕選手は、前回のワールドカップの準々決勝のイタリア戦で、最後のPKを彼女が外して負けてしまった。悔しい思いをして帰ってきて、4年間ですごく成長しました。阿部選手は、世界で通用するフィジカルの強さを持っています。あと、鳥海選手、酒井選手が今の代表チームの先発メンバーで、戦術の理解度、フィジカル的な部分で、かなり高いレベルにあります。 今回のワールドカップまでの4年間、日本はどの国よりも活動してきたと思います。アジアで優勝することは最低限のノルマだと思っていたので、結果をしっかり出せたのは、積み上げてきたものが間違っていなかったと証明しています。」 2人が揃って言う「ワールドカップの目標は最低限、優勝」という言葉はプレッシャーにも聞こえるが、それほどこのチームにかけた自信と情熱があるからこそ言える、最上級のエールなのかもしれない。     取材・文/辻野聡 写真/中里慎一郎
障がい者のためのスキースクール情報(2/2)

障がい者のためのスキースクール情報(2/2)

障がい者プロスキースクール FACTORY SMILE 1992年に、日本初の障害者スキースクールとして開校。「障がい者のスキーが当たり前の光景に」というスローガンを掲げ、姿勢と呼吸をベースに指導。国立障害者リハビリテーションセンター学院RS科での講師を務める指導者が在籍。若い指導者も育成している。●実施スキー場/湯沢中里スノーリゾート ●受け入れる障がい/視覚障がい・下肢の麻痺・下肢の切断・知的障がいなど(ひざ痛の人もOK)●スクール料金/立位、チェアスキー2万5000円、ジュニアバイスキー2万8000円、バイスキー3万円(レンタル料別、税込) ●問合せ先・申込み先/TEL:090-8682-6425(加藤まで) Eメール:info@factorysmile.com   障がい者スキースクール パルネットワーク 参加者の状態や好みにより、みなかみ町のスキー場を使い分けることができる。マンツーマンを基本とし、午前2時間、午後2時間のレッスンを行う。体力や状態に合わせて途中で休憩を挟むことも可能。身体の状態によっては補助器具を使い、参加者の負担を配慮してくれる。●実施スキー場/みなかみ町のスキー場(宝台樹、水上高原200、水上高原藤原、ノルン水上など) ●受け入れる障がい/すべての障がい●スクール料金/1日4時間(2時間+2時間)のプライベートレッスンで、非会員2万6000円 会員2万5000円(会員はシーズン2回目2万4000円、3回目2万3000円)●問い合わせ・申し込み先/http://www.palnetwork.net/(WEBページの問い合わせ・予約フォームで受付)   ワイズスノースポーツスクール 通年を通し、健常、障がいを問わずさまざまな遊びを提供。日本に40名弱しかいない、日本プロスキー教師協会認定の「プロの障がい者スキー認定教師」が多数在籍。過去にはベッドに寝かせてゲレンデを滑らせたことがあるなど、あらゆる状況に対応できる応用力が自慢。●実施スキー場/志賀高原(事前予約、相談で他のスキー場も可能)●受け入れる障がい/バイスキー、チェアスキー、アウトリガーを使用できる症状、ブラインドでのスキーなど。事前相談 ●スクール料金/すべて事前相談(予約制) ●問合せ先、申込み先/冬期:ワイズスノースポーツスクール TEL:0269-24-2180 夏期:株式会社八千代システム マリン&スノー運営企画部 TEL:047-458-7861   障がい者向けイベントを行う団体 日本チェアスキー協会/毎年、日本チェアスキー大会を行っている。www.chairski.jp/ 日本障害者スキー連盟/障がい者スキーの大会や選手との交流イベントを実施。https://jps-ski.com/ 岩手県障がい者スポーツ協会/毎年、初心者も参加可能な障がい者スキー交流会を実施。http://www.iwate-adaptive.or.jp/ 福島県障害者スキー協会/“障害者がスキーを楽しむ。ただそれだけ!”をモットーにスキー教室や合宿、大会などを行う。http://fsad.huu.cc/ 栃木県障害者スキー協会/年に2回のスキーイベントを実施。alfsaka@hkg.odn.ne.jp 神奈川県スキー連盟/障がい者向けのスキー教室や大会を開催。http://sak.or.jp/ 長野県障がい者スポーツ協会/毎年、長野県障がい者スキー大会と体験教室を開催。https://www.nsad.or.jp/ 富山県障がい者スキークラブ/毎年、障がい者スキー教室を開催。http://tymhs.fc2web.com/ 兵庫県チェアスキー協会/チェアスキーの講習会や合宿を実施。www.eonet.ne.jp/   取材・文/高橋佳子  
障がい者のためのスキースクール情報(1/2)

障がい者のためのスキースクール情報(1/2)

どんな障がいがあっても、楽しめるスキー。とはいえ、障がい者を受け入れてくれるスキー場は決して多くなく、すぐさまスキー場に行けば滑れるというわけではない。まずは電話やメールで、障がい者専門のスクールに相談するのが近道だ。  障がい者スキースクール ネージュ 予約制の常設スクール。マンツーマン体制でのプログラム実施。各種特殊器具(バイスキー、アウトリガー、チェアスキー、デュアルスキーなど)を完備。経験豊富なキャスト(スタッフ)が、障害や身体状況に合わせてベストな方法でスキーを楽しめるようアドバイス&サポートしてくれる。●実施スキー場/湯沢中里スノーリゾート(舞子スノーリゾート、ムイカスノーリゾート) ●受け入れる障がい/原則としてすべての障がい ●スクール料金/キャスト1名対応1回2万7500円。2名対応3万8800円。お得な回数券あり。税込 ●問い合わせ・申し込み先/TEL:025-787-6720 https://www.npo-neige.com/ Eメール:info@npo-neige.com   NPO法人アダプティブワールド 「障がい者専門のスポーツ指導のプロ集団」として、障がい児者へのスポーツ指導はもちろん、大学・専門学校・各種機関での講演講義活動もしているNPO法人。その中のひとつスキースクールは、ビギナーから、大会で入賞を目指す上級者まで、誰でも参加できる障がい者専門。マンツーマン指導のレッスンは、基本的に午前2時間・午後2時間で、宿泊プランもある。レッスン後日には、当日のレポートが送られる。●実施スキー場/車山高原SKYPARKスキー場、サンメドウズ清里スキー場 ●受け入れる障がい/すべての障がい ●スクール料金/土日祝日のレッスン 会員1名4万5000円 非会員1名4万8000円/平日のレッスン 会員1名4万円 非会員1名4万3000円(税別。会員・非会員ともリフト代・傷害保険料を含む) ●問い合わせ・申し込み先/TEL:042-401-6523 https://adaptiveworld.org/ski   蓼科白樺高原ユースホステル 2006年開校。今年度で14シーズン目を迎える、知的障がい、発達障がいの子どものみを対象とする週末宿泊型のスキースクール。冬の立科の自然の中、スキーを中心に、そりや雪遊びを取り入れながら、一人ひとりの希望や状況に合わせて楽しく練習できる。初心者も大歓迎だ。SAJ資格をもつスキーコーチが、基本的にマンツーマンで担当する。●実施スキー場/原則白樺高原国際スキー場。状況により、しらかば2㏌1スキー場 ●受け入れる障がい/視覚障がい・下肢の麻痺・下肢の切断・知的障がいなど(発達障がい、知的障がい児に限る) ●スクール料金/1泊2日2万1060円~3泊4日4万5900円。宿泊食事付。税込 ●問い合わせ・申し込み先/TEL:0267-55-6601 http://www.jyh.gr.jp/tateshina/ Eメール:tateshina@jyh.gr.jp   エコーバレー スノースポーツスクール 「ハンディキャップスキーレッスン」は、初めてウィンタースポーツを行う人を中心に、基本的にマンツーマンでレッスン。専任コーチの河西友絵氏は、日体大在学中から同スクールにてインストラクターを始め、SIAプロスキー教師及び日本障がい者スポーツ指導員として10年以上活動。全米障害者スポーツセンターでも研修を受けている。●実施スキー場/エコーバレー ●受け入れる障がい/麻痺・下肢の切断・視野障がいなど(事前カウンセリング) ●スクール料金/2時間1万7000円~(リフト券、レンタル料別途・税込) ●問い合わせ先・申し込み先/http://www.ski-nagano.com/ TEL:0268-69-2001(事務局)、TEL:0268-69-2727(ゲレンデ)   取材・文/高橋佳子  
障がい者のためのはじめてのスキーガイド(2/2)

障がい者のためのはじめてのスキーガイド(2/2)

障がい別のスキースタイル   視覚障がい 指導者の声とストックの音で誘導 【使う道具】一般のスキー靴、スキー板、ストック、スキーブラ 指導者がスピーカーをつけてゲレンデ状況や技術指導などを伝え、ストックを叩いた音で方向を指示するなど「音」でリードする。また、ゲレンデにいるほかのスキーヤーやスノーボーダーなどに存在を知らせ、配慮を促すために、指導者と本人は必ずゼッケンをつけることが重要。指導者は、安全に滑ることができるラインを読んだり、斜度や雪の状況、木々や岩、リフトやゴンドラの支柱やレストランなどの人工物などのゲレンデの状況を見極める伴走者として、障がい者の滑りを見てアドバイスするインストラクターとしてという、大きな役目を担う。   車いす常用の障がい 座ったまま滑る 【使う道具】アウトリガー、バイスキー、チェアスキー 日常生活で車いすを使用している人は、座って滑るバイスキー、またはチェアスキーを利用する。バイスキーは座面の傾きによってエッジが立ち、左右のバランスがとりやすいので、脊柱の変形などで座位でのバランスをとりづらい人にも対応できる。目線が低く傾きも大きいので、雪面に近く迫力も満点。アウトリガーでターンのコントロールを楽しむこともできる。チェアスキーは、パラリンピックでもおなじみ。スキー板は一般のスキー板を使用するので、自分の滑りに合う物を選べる。ショックアブソーバーも大きく、より衝撃吸収能力も高い。   立位ができる障がい できるだけ立って滑ろう 【使う道具】一般のスキー靴、スキー板、アウトリガー、スキーブラ 脳性麻痺や二分脊椎などでの両足の麻痺、片足の麻痺、切断などの一本足、両足切断で義足を履くなどの障がいで、立って歩いて生活している人には、アウトリガーとスキーブラを用いて立位で滑ることをすすめたい(一本足ならアウトリガーのみ)。アウトリガーは、歩行時やスキーを履いての移動時に杖代わりになり、行動の自由度が広がりストレスが軽減されるからだ。ただし、足部の変形が大きくスキーをフラットに踏むことができない、下肢の筋力が弱く長時間楽しむのが厳しそうなら、もちろん、バイスキーやチェアスキーで滑ることも可能だ。   知的障がい 一人ひとりに合った器具やスタイルで 【使う道具】一般のスキー靴、スキー板、ストック、スキーブラ、バイスキー 自閉症やダウン症などの、知的障がいをもつ人は、一般のスキーと同様に、二本足で立って滑ることができる。理解力の問題などで、足を八の字に開くことがむずかしければ、スキーブラを。筋力が弱い、関節がゆるいなどの場合は座って滑るバイスキーが適するケースなど、一人ひとりに合った器具やスタイルで滑ることができる。まずは雪とスキーに慣れ、指導者がサポートを行いながら、スキーの操作を覚え、上達に伴いあらゆる斜面に挑戦していこう。時間をかければ、ひとりで滑ることができるようになることも夢ではない。   取材・文/高橋佳子  
障がい者のためのはじめてのスキーガイド(1/2)

障がい者のためのはじめてのスキーガイド(1/2)

チェアスキーの選手が、障がいをもちながら時速100キロ超えで雪上を走る姿は圧巻だ。〝いつか自分もその感覚を味わいたい〞〝家族にスキーの楽しさを体験させたい〞。そんな願いをもつ人のための基礎知識と、障がい者が利用できるスキースクールを紹介しよう。   どんな障がいでもスキーを楽しめる! 〝障がいをもっていても、スキーができるの?〞と思う人は多いだろう。でも、 「スキーは、重力と遊ぶスポーツなので、基本的にどんな障がいがあっても楽しむことができます。重力を味方につければ、健常者を抜かすことも簡単にできますし、すでに多くの方々が雪の虜になっています」というのは、AADS(一般社団法人障害者スキー振興協会)代表、理学療法士でもある津川朋也氏。はじめの一歩を踏み出す前に、障がい別にどんなスタイルでスキーを楽しむかを紹介しよう。   障がい者スキーをサポートする道具たち アウトリガー 先端にスキー状の板がついたストック。手元のひもを引くと板がたたまれ、杖状に切り替えられる。バイスキーやチェアスキー用のショートタイプもある。   チェアスキー 一本のスキー板がついたイスに座って滑る道具。スキー板が一本なので左右のバランスをとるのがむずかしく、座面も高いので転倒しやすいが、リフトに自分で乗れるメリットも。上達すればひとりで滑ることも不可能ではない。   バイスキー イスにスキー板が二本ついているので、チェアスキーよりバランスがとりやすくやさしい。スキー板のエッジが立つので、自分でターンコントロールもできる。リフトには、インストラクターのサポートがあれば乗降できる。   スキーブラ 片麻痺、脳性麻痺のために開発された、スキー板の先端をつなぐ金具。健側の足を開くと麻痺側のスキーも開く、いわばボーゲン養成機。また、知的・発達障がいのビギナー向けには同様にスキーの先端に取りつけるスキーバンジーを使うこともあり、これは健常者のスクールでも愛用されている。   取材・文/高橋佳子 写真/堀切功  
デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!基礎編

デフフットサルワールドカップ開催中!もっと知りたい!基礎編

聴覚障がい者のフットサル、デフフットサルのワールドカップが11月9日から16日までスイスで開催中だ。2月に開催されたアジア予選では、女子は優勝、男子は準優勝でワールドカップ出場を決定。大会での活躍が期待される日本代表をクローズアップしていく。 今回は基礎編としてそもそもデフフットサルとは何かを紹介する。 デフフットサルのデフ(DEAF)とは、「耳の聞こえない人たち」という意味。つまりデフフットサルは、聴覚障がい者が行うフットサルのことだ。 デフフットサルの基本的なルールは、基本的には健常者のフットサルのルールと同じ。ただ、選手が目で見えるように、主審は笛に加えてフラッグを使用する。 選手は、聴力レベルの規定があり、プレー中は補聴器を外すことが義務づけられている。選手は耳が聞こえないので、情報を得るには目で見るしかない。チームスポーツは、健常者なら声を掛け合ってコミュニケーションをとるのが当たり前だが、聴覚障がい者はそれができないので、組織的な戦術を行ううえで非常にむずかしい部分がある。 選手同士はアイコンタクトや身振り手振りでコミュニケーションを取るほかはなく、プレー中の意思の疎通のむずかしさを補うために、ピッチにいる4人が同じイメージをもてるように、トレーニングを重ねていくことが大切になってくる。 ちなみに、聴覚障がい者のスポーツは、ほかにも陸上、バスケットボール、サッカー、柔道、水泳、卓球、バレーボールなど広く行われており、聴覚障がい者のオリンピック「デフリンピック」も1924年から開催されている。 現在、一般的に聴覚障がい者のデフスポーツの知名度が低いのは、パラリンピックに聴覚障がい者の競技種目がないことも大きく関係している。パラリンピック競技ではないデフフットサルだが、今回のワールドカップは男女ともに悲願の優勝に手が届くところにいる。まさに今,世界の頂点を目指し戦っている選手たちの活躍から目を離すな! 取材・文/辻野聡 写真/中里慎一郎

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